fragrance

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Youtubeを始めてさらに知名度が上がった私の彼氏。

前みたいに簡単に外に出ることは少しずつ難しくなっていった。

忙しいのはもちろんだが、今波に乗っている彼を落とすような行動は出来ずデートに誘うことは少なくなって行った。

そんな時彼がどこか行こうと提案してくれた。

少し躊躇したが、彼は私が気を使ってることを悟っていて気にしなくていいよと言ってくれた。

久しぶりのデート、どこに行こうかと考えている時に大ヒットしている映画の広告が目に入った。

世界的な大ヒットだからクイズの問題にしやすいだろう。

だけど恋愛系だし拓司は見に行ってないだろうなと
直ぐに彼のことを考えてしまう。

たいして興味はなかったが、拓司の大好きなクイズのためになるならいいんじゃないかと提案してみた。

案の定彼は乗ってきて映画を見ることになった。

今日はデート当日。

平日の真昼間なのに空席が目立つくらい沢山の人がいた。

「人たくさんいるね…バレないようにしなきゃ」

そうやって周りを警戒していると

「別に俺はバレてもいいんだけどね笑」

と微笑む。

「いや拓司は自分の影響力をもっと自覚して？笑」

正直、私も彼もテンションが上がっている。

久しぶりに外でデートをしているからだろうか。

それとも映画館特有のムードなのだろうか。


場内が暗くなり、始まりを感じさせる。

面白いといいなぁそんなことを思いつつ

画面を眺めていると急に私の手が握られた。

目線でえ？ってアピールをすると

私の耳元で彼が囁いた。

「興味ないのに誘ってくれてありがと」

全てをわかった顔で微笑む彼に

苦笑いをすることしかできない。

「そうゆうAの優しいところが好き」

こっちはドキドキしてるのを隠すのに必死なのに

余裕ような表情をしているのが少し気に障って

「私もそうゆうところに気づいちゃう拓司のこと大好きだよ」

とお返しと言わんばかりに耳元で囁いた。

驚いて目を大きく見開く、拓司が面白くて笑ってしまった。

「何笑ってんだよ」

「なんでもない笑 」

拓司は不服そうに
画面に目を戻した。

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