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「…グク、ご飯は？」
ジョングクの言葉を避けるように
私は言葉をかけた。
「ん、食べたよ。
それよりヌナ、お酒臭い。」
ジョングクのお陰で一気に酔いが覚めた。
それよりもリオ…なんて言うのかな。
韓国に帰るまでのあと少し、
ややこしいことにはなりたくない…
そして、この目の前にいる弟にも
伝えなきゃいけないことがあった。
「飲み会だったの今日。」
「飲み会ね、ふーん。」
ジョングクは何か言いたげだけど
言ってこない限り私から問いかける必要もない
「ねえググ、私来月韓国に戻る。」
そう私が言うとジョングクはパッと目を開き
私に思い切り抱きついた。
「え、本当に？！」
抱きつきながら私を揺さぶって喜ぶジョングクに
また少し酔いが回った。
そんなことも気づかずジョングクは喜んでる。
「本当に嬉しい！
…ねえヌナ？こっち戻ったら一緒に住もう。」
1人盛り上がるジョングク。
"一緒に住む"それだけは避けたかった。
「グク、宿舎でしょ？」
「出るよ、ヌナと暮らすために」
「グク、ヌナもう私27だよ？
住むところは自分で探すし、
ファンの事とかいろいろあるでしょ？
宿舎にいた方が良いと思うの。」
「セキュリティばっちりなところ探すよ？」
「だーめ。人気アイドルなんだよ」
私から離れちぇっと口を膨らませるググ。
時刻は１時。
明日もきっと忙しいスケジュールだし
寝かさなきゃいけない。
「明日は？」
「朝マネヒョンが迎えくるよ」
「ならググ、シャワー浴びて来なよ。
明日も忙しいでしょ？もう寝よう。」
「なんで？久しぶりに会えたのに。
もっとヌナと話したい。」
お酒も入ってて私の眠さもピークを迎えていた。
渋るジョングクを立ち上がらせて
シャワールームに押し込んだ。
「ねえ、ヌナ」
閉まった扉越し聞こえたジョングクの声。
「なに？」
「さっき居た人は誰？」
「職場の友達」
「……ヌナをおんぶしてた人も？」
閉めた扉がまた開いて
上半身裸のジョングクが出て来た。
一切ブレずに私を見つめるその目。
私が苦手なその目。
その目で見られると、私は何も言えなくなる。
「…そうだよ」
ジョングクは切なそうに笑った。
「ヌナが身を預けられる男は俺だけでいいのに。」
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作者名：jina | 作成日時：2020年9月6日 0時
