太陽と共に (ページ47)

今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:42,092 hit

46 ページ47

.

「…ジョンインさん」

車を止めた所から今の場所まで
走って来たのか少し息を切らしていた。

追いかけて来たジョンインさんは
キャップは被ってるもののマスクはしてなかった。

追いかけて来た理由よりも
誰かに見られたら、そっちの方が心配で私は
急いで駆け寄って腕を引きオートロックのある
エントランスの隅に寄った。

「…もし住人とかに見られたら大変なので…」

「…こっちの方が逆に怪しくないですか？笑」

隅でコソコソ話す私を見て
ジョンインさんは笑ってそう言った。

この時間なら出入りする人もいないと思うけど
アイドルの弟を見てるからか警戒心が働いてしまう。

今更掴んだ腕に気付いて私は咄嗟に離した。

「あの…どうしたんですか？」

「いやなんか…ヒョンが変なこと言うから…
申し訳なくて」

「全然いいのに…
それを言いに追いかけて来てくれたんですか？」

そう私が言うとジョンインさんは一回下を向いて
私を見た。

「…なんかあのまま帰りたくなくて」

そう言って真っ直ぐ私を見るジョンインさんに
視線を逸らすことは出来なくて。

「…連絡先教えてくれませんか？」

そう言った彼に私は驚いたけど
笑って頷いた。

連絡します！
そう言って笑って戻っていった。

私のLINEには
"kim kai" という名前が追加された。

ジョンインさん、期待しても良いんですか？

普通の女の子だったら誰だって
期待しちゃうでしょ？

この年になって恋愛で傷つきたくない…

そう思うけどもう気持ちに嘘はつけない。

いつぶりだろう。
自分から人を好きになったのは。

「…私すごい相手を好きになったな…」

追加されたジョンインさんのLINEのアイコンを
見つめながら誰もいない部屋で呟く。

ジョングクはどう思うんだろう。

私がEXOのカイを好きと言ったら。

ジョングクのこともあって
恋愛するのは少し気が引けてたけど。

その事を気に出来ないくらい
頭の中はジョンインさんでいっぱいなんだ。

こればかりは邪魔されたくない。

悲しむジョングクは見たくないけど
きっと私のせいで苦しんでる。

　
…いつかはっきりさせなきゃいけなかったんだ。

"一件の通知"

スマホが鳴って通知の所に表示された名前を見て
私の心臓は飛び跳ねる。

誰かを好きなるとこんなにもその人のことしか
考えられなくなるんだね。

…ごめんね、ジョングク。