太陽と共に (ページ33)

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「あの…カイさん、大丈夫です
私1人で入り口まで行けるので！」

「いや、誘った側なので…
撮られたりしたら困るので外には出れないんですけど
せめて入り口まで送らせてください。」

そう言うカイさんの言葉に甘えて、
入り口まで付き添って貰った。

「あの…」

途中、カイさんは少し気まずそうに私に声をかけた。

「俺、初日ずっと寝てて…
前の日夜まで仕事で忙しくて…
それを謝りたくて。」

そう申し訳なさそうに言った彼に
私は首を振った。

「そんな…逆に忙しい時に
時間を作って貰って申し訳ないです

ほら、仕事といってもデザイン考えたりするだけだし、
販売まで時間もあるので気にしないでください！

寝ていいよ、というのも変な話ですけど…
眠い時は無理しないでください！」

仕事相手なのに何を言ってるんだろう、
そう思いながらもカイさんはふっと笑って

「…ありがとうございます」

そう言ってくれた。

カイさんが笑うとすごく体が熱くなるのは
お酒のせい？

「私、カイさんのダンスが好きなんです」

ならこの言葉も、お酒のせいにしよう。

「前に踊っていた姿を見た時に
なんて綺麗な姿で踊る人なんだろう、って。

初めてです、人のダンスに見惚れたのは」

カイさんは立ち止まってこっちを見た。

「あの…ダンスを褒められるの、
本当に嬉しいです」

言ってよかった、心からそう思った。

「今回の企画もダンスくらい頑張ってくださいね」

私がそういうと眠い時は許してくださいね、
なんてふざけて言うから少し距離が縮まった気がした。

"ヌナ、つくよ"

話して待ってるうちにジョングクから連絡が来た。

「迎え来たみたいなので、行きます。
ありがとうございました

みんなにも、お礼伝えておいてください。」

「はい、叱っておきます」

そう悪戯そうに笑ったカイさん。
お金を…と渡そうとしても受け取って貰えなかった。

「…では」

この時間が名残惜しいなんて思う私は
本当にどうかしている。

　

「Aさん！」

私が行こうとするとカイさんが私を呼ぶから
名前覚えててくれたんだ…嬉しさが込み上げて
心臓が跳ねる気がした。

「"カイ"じゃなくて、ジョンインです
俺の本名、キムジョンイン。

覚えてくださいね！」

　

それだけ言って彼は戻って行った。

なにあれ…反則…
私はしばらく、その場で固まっていた。