太陽と共に (ページ20)

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「Aさん！これ確認お願いします。」

後輩から資料を渡され、
今日も残業か…とため息を吐く。

韓国に戻って2ヶ月。
それはもう毎日大忙しだった。

すぐ仕事が始まり
新しい部署でリーダーになった私。

日本に居た時の倍の仕事量だった。
韓国に戻ったばかり、なんて言い訳は
通用しなかった。

毎日出社してから帰るまで一瞬で
1日が足りないって思ったくらいだ。

がらりと変わった環境。
母国なのに、どこか寂しい気がした。

リオに会いたい…

会社にも仲良い同期が何人かいたけど、
寿退社した子もいたり、部署が違ったりで
なかなか会う機会も無かった。

「お疲れ様ですー！」

同じ部署の後輩のユナちゃんは
本当に今時の若い子って感じで
デートなんですとか言って基本残業はせず
定時に必ず帰る。

若い子に仕事を押し付けるのも…
と思いながら毎日残って仕事を終わらせる日々。

残った仕事を進め始めて
時計を見るともう22時を回っていた。

最悪、今日も帰って寝るだけだ…
気付くと誰もいないオフィスを後にして
暗い外に出た。

夏が近づいていて、風が少し心地よい。

駅に向かおうとすると、
一台のバンが路上から横付けして、
クラクションを鳴らした。

そっちに目を向けると後ろの席の窓が少し開いた。

「ヌナ！乗って！」

すぐジョングクだとわかって
後ろの席に乗り込んだ。

「え、グクなんで？！」

「ヌナの会社の前たまたま通った。そしたらビンゴ！」

にしてもすごいタイミング…

運転するのはジョングク達のマネージャーさんで
私が挨拶をすると笑顔で挨拶をしてくれた。

「正直に言えよグク、家に居なかったから
職場まで見に来た、だろ(笑)」

「マネヒョン！」

ジョングク、家まで1回来たのか…

引っ越してから何回か来たことがあった。
日本にいる時と違って、同じソウル市内にいるのだけど
韓国での彼等のスケジュールは常に埋まっていて
日本に来た時と違って自由な時間はかなり少なかった。

それに、こっちには過激なファンもたくさんいる。
私の家を知られたりしたら迷惑がかかるといって
ジョングクなりに配慮してくれていた。

こっちに来て常に忙しくて
話す相手もあまりいない私は
ジョングクに会えるのが前と違って心から嬉しかった。