太陽と共に (ページ13)

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「グク…なんでここに…」

「いや、メンバーでご飯食べに来たんだけど。
ここ個室だし芸能人御用達。良く来るよ。

…で、ヌナは？」

やばい、なんで言おう。
あまりにタジタジしてしまって
ジョングクは眉間にシワを寄せて私を見てきた。

「と、友達と…」

「ヌナの友達？挨拶するよ」

そう言って私の手を引いて行こうとするジョングクを
私は慌てて止めた。
絶対疑ってる。

「…なに。会えない友達なの？」

「そうじゃなくて…」

「ここ、ヌナが友達同士で来るような店じゃないと思うんだけど。」

失礼な。本当に友達だったらどーすんのよ。
心の中で悪態を吐きながら言い訳を考えてる時だった。

「あれ？Aちゃん
まだ行ってなかったの？」

なんてタイミング。
そこには抜けて来て今から店の前に向かうであろう
ソジュンさん。

私の名前を呼ぶソジュンさんを見た瞬間
ジョングクの顔が一瞬で曇った。

また邪魔される。

そう思った私は

「グク、ごめん！」

そうとだけ言ってソジュンさんの手を引いて
走って店を出た。

「ヌナ！」

私を呼ぶ声がしたけど、そのまま走り去った。

店を出て少し遠くまで来たところで

「……すいません、ソジュンさん」

「いや…大丈夫。けどさっきの彼…は、どーゆー事？」

さっきの彼、と言ってる限り
防弾少年団のジョングクということには
気付いてないようだった。

にしてもまさかあんな所で会うなんて…

「すいません、弟がいて」

「え、弟？！挨拶もしなかったよ…」

「いや、大丈夫です。恥ずかしくて逃げちゃいました」

そう言うとソジュンさんは
笑い飛ばしてくれた。

その後は2人でお洒落なバーに行って
他愛もない話で盛り上がった。
近々、ご飯でも。そう言って連絡先を交換して
私が実家住まいだと言うと遅くなる前に、と
タクシーに私だけ乗せて帰してくれた。
　

手を上げて見送ってくれるソジュンさんに

これは良いんじゃないか？

なんて思いながらスマホを見ると
ジョングクから連絡が鬼のように来ていた。

"さっきのどういうこと"

"誰"

"言えないような人なの？"

ヌナにも恋愛くらいさせてくれ。
そう思いながら連絡は返さずスマホを閉じた。

「ただいま」

お父さんもお母さんも寝てるはずだから
返事の返ってくる訳のない家。

「おそい」

返ってくるはずのない返事に、私は固まった。

「グク…なんでいるの」