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六話 ページ7



──


学校も終わって、電車と少し歩いて家に着く。

家に帰ると、母は夜の方の仕事に出ていく。
父は、確か私が三歳ぐらいの頃に離婚して

もうずっと、会っていない。





やることを済ませて、冷めた晩御飯を食べて

風呂も入って、もう特にやることはない。

何も思考せずに寝落ちを待つか
明日学校に行くか行かないか、クソみたいなことを思考するぐらいしか

私にやることはない。




小さな部屋の半分以上を陣取る布団の上に寝転がり
ネットニュースを見て、スクロールをして

そんなことを繰り返していれば
ふと、頭に浮かんだ。





『…っこ、コレ、ぼくの連絡先!
 暇な時…とか、連絡してくれん?』





そういえば、鳥井のメアド、もらってたっけ。

私はそのことを思い出し
通学用のカバンの中を漁った。


時刻は二十三時前で、鳥井が起きているかはわからない。
でも、せっかくもらったし…


カバンの少し奥を漁ると
くしゃりと曲がった、メアドが書かれたメモが出てくる。



スマホで入力して、出てきたプロフィールをタップする。
少し躊躇ったが、とりあえず、追加した。


追加したはいいけど、なんて送ろう。
会話の話題も特にない…





『Aです』

『鳥井の連絡先で合ってるよね』





淡白だろうか、しおらしいだろうか?
でも、これ以外思いつかない。

メッセージを送信すると
二十三時を超えているのにも関わらず

鳥井からメッセージが返ってきた。




『合ってるで!
 追加ありがとうな』




少し元気な文面で、鳥井は返してくる。

ここから会話が続くのだろうかと思うが
生憎私は早起きが苦手だ。

今から寝ないと、朝アラームで起きれるかわからない。





『こちらこそありがとう』

『追加してすぐだけど、私寝るね』





送信し、部屋の明かりを消す。
スマホの明かりだけが私の顔を照らし出した。

明日は火曜日か…
正直、学校は休みたい。


そんなことを考えながら、スマホを消した。
でも、数秒経って、また明るくなる。


鳥井からのメッセージだった。




『そうなんやな。おやすみ!』

『明日、出来たら学校来てな』




そのメッセージの後に、チワワのスタンプが送られてきた。
私も「おやすみ」と言っている黒猫のスタンプを送り

またスマホの電源を落とした。




…明日は、頑張って

行ってみようかな、なんて。

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真下(プロフ) - aiuさん» 嬉しいコメントと応援、ありがとうございます!よければ更新を楽しみにしていて下さい。 (5月1日 23時) (レス) @page16 id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
aiu - こういうお話大好きです!このあとの展開がすごく気になります・・・・・・!応援してます! (5月1日 0時) (レス) @page16 id: dd6bafeb3e (このIDを非表示/違反報告)
真下(プロフ) - 桜の木さん» 嬉しいコメントありがとうございます!この後の展開もお楽しみください。 (4月30日 22時) (レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
桜の木 - すっっっっごく最高でした!!いい方向に変わっていってる夢主ちゃんと悪い方向に変わってるzmさんのすれ違いようが好きすぎます!! (4月30日 7時) (レス) @page14 id: 66418bc4e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:真下 | 作成日時:2024年4月14日 0時

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