四話 ページ5
＊
──
古くて、他より狭いライブハウス。
持ち主の人もあまり顔を出さないし、料金も安い。
シャオロンはそう言っていた。
「ちょっと、掃除あんま行き届いてないじゃん…」
「もうすぐ一気に掃除するよ。
そもそも、ここら辺ちょーっと治安悪いし…」
「アンタ、よく通えるね…」
友人は非常に冷たかった。
今までシャオロンに興味を示さなかった友人が
突然ライブに行くだなんて言い出して。
ようやく興味を示してくれたと思えば
かなり引き気味で顔を顰めている。
それでも私はファンを増やしたかった。
彼女の腕を引き、室内へ誘導する。
中へ入ると、シャオロンはまだ裏に居ると連絡が入った。
「まだ少し時間あるみたい」
「…繋がってるの？アイドルと」
「本当はダメってのはわかってるよ。
ただ、シャオロンがね」
「…本人が良いから、とかじゃないと思うけど」
「私はただのファンだから。
時間の連絡以外、したことないよ」
「そ。繋がりも程々にしなよ」
友人の言うことはご最も。
最初は繋がるのをかなり断ったが
シャオロンが泣きそうになって、懇願するんだから
仕方がなかった…で、本来は済ませられないけど。
友人もスマホに顔を向けた時
私のスマホに一件の通知が入った。
『誰なん？もう一人』
シャオロンからの通知だった。
遡ってみても、やり取りの内容は
”あと5分くらい”
とか、そういう連絡だけ。
こんな通知見たことない。
『友達』
そう短く返しておいた。
「…A、そのシャオロンってさ。
何で、他にファン居ないの？」
友人は私のスマホの画面を覗きながら言った。
「さぁ、わかんない。
初期は結構居たんだけど、最近めっきり居なくなって…」
「シャオロンも一時期アイドルやめようとしてたんだよ」
「でも、私はずっと来たんだ。
ライブの数が少なくなっても」
「…じゃあ、何で？」
「私が好きだったからだよ、シャオロンのこと。
一番の推しだったから」
私がそう言うと、友人はため息をついて
”そう”と、短く答えた。
時刻は午後三時ピッタリ。
ライブハウスの灯りが消えて
ステージにスポットライトが出る。
そこには、いつものシャオロンが居た。
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真下(プロフ) - キリス(某教祖様)さん» とても嬉しいです。主様の好みに合った作品が書けてとてもよかったです！励みになるコメントありがとうございました！ (1月27日 23時) (
レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
キリス(某教祖様)(プロフ) - 完結お疲れ様です！こういう物語好きなので本当にもう好きです！他作品も見させて頂きます! (1月27日 21時) (レス) @page21 id: 62b7efaae2 (このIDを非表示/違反報告)
真下(プロフ) - キリス(某教祖様)さん» ありがとうございます。この後の展開を楽しみにしてください！ (1月22日 17時) (レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
キリス(某教祖様)(プロフ) - 物騒な事にしか思えない…なにを思ってるんだ… (1月21日 19時) (レス) @page8 id: 62b7efaae2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真下 | 作成日時：2024年1月18日 23時
