十五話 ページ16
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──
突然振り下ろされたナイフ
飛び散る鮮血
返り血を浴びて真っ赤に染まる彼。
腹部や胸部からは血がダラダラと出ていて
言葉じゃ表せないほどの激痛が走る。
最初は出た叫び声も出なくなるほど。
口からも血が出て、喉の部分が気持ち悪い。
何度もナイフを刺されて抜かれて
その繰り返しで胴体はボロボロ。
「ッな、んで…」
「アイツが来んかったらこんなことにはなってなかった！！
俺もお前もずっと幸せやった！！」
「そんな目で見やんとって…
俺、おれ…Aと居たかった、だけやねん…」
だからって、なんで
「でも、お前は俺のこと好きになってくれへん…
挙句の果てには知らん女に引き裂かれそうになる」
「俺、お前が居らんくなったら
ホンマに、生きていけへん…」
「こうしな逃げたんやろ？なぁ
俺のこと怖いんやろ、今！！」
自分勝手だ、この人は
でも、そんなことも口に出せない。
喉から臓器が出てきそうな勢いで血が溢れ出して
視界は真っ赤、彼の涙ばかり頬を伝う。
怖いとかより、もうすぐ死ぬんだなっていうのが
私の中を埋め尽くす。
そう思うと、私も自分勝手だったと思う。
今更だ。
私も彼も自分勝手で
相手優先、自分第一で動いていた気がする。
推し活と恋愛。
アイドルとファンの関係性は重視すべき。
アイドルに恋してはいけない。
ずっとそう思っていたから
今までどの推しにもガチ恋をしたことは無かった。
彼も例外じゃない。
だから告白された時は驚いた。
嬉しくないわけじゃなかったが
付き合うのは違った。
ただきみを推したかっただけ
夢を叶えて欲しかった
私が一番傍で推していたかった。
自分、勝手だ。
友人まで巻き込んで
家族にも迷惑掛けて
償う方法が見つからない。
死んだらどう償うべき？
どうやったらあなたたちは許してくれる？
どうやったら、きみは許してくれるの？
「…ごめ、んね…ッ、シャオロン…」
意識が遠のいていく。
視界は次第に真っ暗になるが
耳はまだ少し生きていた。
「…やめてや、今更今更！！
遅すぎんねんッ！！」
それからはシャオロンが
ただ啜り泣く声しか聞こえなかった。
それも次第になくなって
何もかも閉ざされてしまった。
私は、どうするのが正解だったんだろう。
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真下(プロフ) - キリス(某教祖様)さん» とても嬉しいです。主様の好みに合った作品が書けてとてもよかったです！励みになるコメントありがとうございました！ (1月27日 23時) (
レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
キリス(某教祖様)(プロフ) - 完結お疲れ様です！こういう物語好きなので本当にもう好きです！他作品も見させて頂きます! (1月27日 21時) (レス) @page21 id: 62b7efaae2 (このIDを非表示/違反報告)
真下(プロフ) - キリス(某教祖様)さん» ありがとうございます。この後の展開を楽しみにしてください！ (1月22日 17時) (レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
キリス(某教祖様)(プロフ) - 物騒な事にしか思えない…なにを思ってるんだ… (1月21日 19時) (レス) @page8 id: 62b7efaae2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真下 | 作成日時：2024年1月18日 23時
