十三話 ページ14
＊ sha side
──
女がライブハウスの楽屋まで訪ねてきた。
「…シャオロン、だったよね」
「……お前、Aの？」
「大西ヒナ。
…ねぇ、ちょっと、聞きたいんだけど」
Aが連れてきた友人だった。
黒髪のロング、少しだけつった目。
ライブの時から嫌悪していた。
いや、裏から見ていた時から嫌いだった。
「アンタ、Aと裏で繋がってたり
他にファンも居なかったりさ」
「だからなんやねん」
「…ライブハウス、スタッフも居ないし
掃除もそこまで行き届いていない」
「それに、気になって調べたんだけど」
「ここ、しばらく前にテナント募集の張り紙
貼られるようになったんでしょ？」
「なのに何で、ここでライブなんかしてる訳？」
本当に嫌いだ、コイツは。
見た目通り頭が切れるみたいだ。
昔使わせてもらっていたライブハウスも潰れて
管理人は府外へ出たらしいし
ここら辺は治安も悪く
テナントの貼り紙を外していれば
誰も指摘はしなかった。
最初は正々堂々アイドルをしていた。
でも、宛がなくなったら
ファンはすぐに人気アイドルグループに寄っていった。
一生推すなんて言っていたアイツも
すぐにどこか行った。
犯罪だってわかってる。
でも、Aがまだ居てくれるから何だっていい。
ずっと推す。
誰よりも好き。
愛してる。
そう言ってくれたから
応えたかった。
「Aにも事情ちゃんと聞いてから来ても良かった…
でも、あの様子じゃ、アンタと同じだと思うし」
「事情があるのかなんなのか
私にはさっぱりよ、さっぱりだけど…」
「A誑かすつもりなら、容赦しないからね」
なのに、コイツは…
コイツは、何も知らないくせに
俺とAの関係に亀裂を入れようとしている。
「……俺は、全部アイツの為にやってんねん。
それをお前に邪魔される意味なんてないわ！！」
「…何よ。私はただ危険性や犯罪性を考えて言ってるのよ。
邪魔じゃない。履き違えないでよ！！」
コイツが嫌いな意味がわかった。
Aと俺を引き裂こうとしているからだ。
絶対にそうなんだ！！
Aと別れたら
俺は何もかも失ってしまう
そんなの、そんなの無理だ。
机に置いていた
グッズ用を作るためのデザインナイフ。
蓋を外していて良かった。
コイツを探す手間が省けてよかった。
右手に持ったナイフを、女に振り下ろした。
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真下(プロフ) - キリス(某教祖様)さん» とても嬉しいです。主様の好みに合った作品が書けてとてもよかったです！励みになるコメントありがとうございました！ (1月27日 23時) (
レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
キリス(某教祖様)(プロフ) - 完結お疲れ様です！こういう物語好きなので本当にもう好きです！他作品も見させて頂きます! (1月27日 21時) (レス) @page21 id: 62b7efaae2 (このIDを非表示/違反報告)
真下(プロフ) - キリス(某教祖様)さん» ありがとうございます。この後の展開を楽しみにしてください！ (1月22日 17時) (レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
キリス(某教祖様)(プロフ) - 物騒な事にしか思えない…なにを思ってるんだ… (1月21日 19時) (レス) @page8 id: 62b7efaae2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真下 | 作成日時：2024年1月18日 23時
