十二話 ページ13
＊
──
「シャオロン…？」
掴まれた肩に、ジンジンと痛みが増す。
シャオロンの表情は、見たことの無いほど
怒りに塗れていた。
「なんで、なんでAはいっつもそうやって！！
俺のこと、一生推すって言うたやん！！」
肩を強く揺らされ、思わずたじろいだ。
声が大きくて、鼓膜を揺らす。
驚いてしまい、目を見開いてシャオロンを見る。
「誰よりも好きって、言ったクセに…
なんで俺の気持ちを踏み躙るん？」
「なんで好きっていうのにただの”推し”なん？
俺がどんだけ！！お前のこと好きだと思ってんだよ！！」
壁まで追い詰められ、抑えつけられる。
細身の体から想像できない力が私を抑えていて
普段、バイトや授業以外で運動しない私は敵わない。
「なぁ、なんか言えや！！」
普段の優しくて、輝いているシャオロンじゃない。
まるで別人のように
私を抑えつけて声を荒らげる。
「…わ、私は…推しと、ファンとの区別を…
ちゃんと、付けるから…」
「シャオロンのことは、一番の推しって、だけだよ…」
「……何？じゃあ、俺の勘違いって言いたいん？
俺が今までしてきたこと、全部間違いって言うんか！？」
「そ、そういうことは言ってないよ！！
ねぇシャオロン、今あなたと言い合いなんてしたくない」
顔を伏せると、シャオロンは更に声を荒らげる。
「うるさい！！
ずっとお前のためだけにやってきた！！」
「なのにAは友達とか、他の奴ばっか見るし
殺しても、ソイツ優先やった！！」
「俺に縋って、居場所なくして！！
そうしてくれたらどっちも幸せで終わるやろ！！！」
シャオロンの発した言葉に耳を疑った。
殺しても、そう言った？
「…ね、ねぇ、シャオロン…
ころ、殺したって、なんで、誰を…」
思わず聞いてしまった。
でも、答えを聞きたくなかった。
嫌な答えが返ってきそうだからだ。
亡くなった友人
おかしくなった彼の発言。
もし、なんて、思いたくないけど
「…そんなん、大西ヒナに決まっとるやろ。
アイツが、俺にあんなん言うから…！！」
その言葉を聞いて
私は、一気にシャオロンに対して
好きとか、大好きとかから
ただひたすらに、怖いと思うようになった。
恐怖のせいで、涙も出なくなっていた。
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真下(プロフ) - キリス(某教祖様)さん» とても嬉しいです。主様の好みに合った作品が書けてとてもよかったです！励みになるコメントありがとうございました！ (1月27日 23時) (
レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
キリス(某教祖様)(プロフ) - 完結お疲れ様です！こういう物語好きなので本当にもう好きです！他作品も見させて頂きます! (1月27日 21時) (レス) @page21 id: 62b7efaae2 (このIDを非表示/違反報告)
真下(プロフ) - キリス(某教祖様)さん» ありがとうございます。この後の展開を楽しみにしてください！ (1月22日 17時) (レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
キリス(某教祖様)(プロフ) - 物騒な事にしか思えない…なにを思ってるんだ… (1月21日 19時) (レス) @page8 id: 62b7efaae2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真下 | 作成日時：2024年1月18日 23時
