十一話 ページ12
＊
──
ヒナの遺体は
住宅街近くの森で発見された。
腐敗臭がすると近隣住民から通報を受け
周辺を捜索したところ、発見されたらしい。
腹部に複数の刺傷が見られ
死因は大量出血。
森の中にある背の高い草むらで
隠すように、そして雑に置かれていたらしい。
彼女の葬儀は、すぐに行われた。
彼女の母親は涙が止まらず
葬儀が終わってもずっと彼女の名前を呼んでいた。
父親は、涙を流しながら母親の背中をさすっていた。
私は泣いたし、悲しかったけど
それよりも、どうして彼女がこんな目にあったのか
ただ、それが気になっていた。
「Aさん、ヒナと仲良くしてくれて
本当にありがとう」
「いえ、私の方こそ本当に…
……本当に、ありがとうございました…っ」
彼女の母親と挨拶を交し
大西ヒナの葬儀は終了した。
葬儀が終了し、私はすぐにS区へ向かった。
今日は本当はライブがあった。
でも、しばらく行けない。
何故か友人が死んでしまって
その理由は恐らく他殺で…
もうスマホにもニュースが入っている。
友人を失ったことなんてなかった。
まだまだずっと一緒に居るんだと思っていた。
なのに、こんなに早く失ってしまうなんて。
S区の路地をとぼとぼと一人で歩きながら
肩にかけるカバンを握りしめて涙を流した。
少し立ち止まって涙を拭うと
私は小走りでライブハウスへ向かった。
＊
ライブハウスへ入ると
舞台の上にはシャオロンが居た。
シャオロンは私を見るなり
舞台から観客席へ降りてくる。
「…シャオロン」
「A、来てくれたんや。
良かったわ、来てくれて嬉しい」
シャオロンは顔をほころばせる。
何だか少し申し訳ない気持ちになってしまった。
でも、棺桶に居る友人を思い出すと
そんな気持ちは軽く吹っ飛んだ。
「…ごめん、シャオロン…
…実は、ヒナが……」
事情を説明して
しばらくはライブに行けないこと、会えないこと
それを伝えると
シャオロンの表情は豹変した。
「……なんで、なんでなん？」
唇を強く噛んで、血が出るんじゃないかというくらい。
そのくらい強く噛んで、眉間にシワを寄せて
肩に置かれていた手には
とてつもなく強い力が入っていた。
「シャオロン…？」
肩がギリギリと音を立てて痛みが増す。
それでもシャオロンは手を離さなかった。
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真下(プロフ) - キリス(某教祖様)さん» とても嬉しいです。主様の好みに合った作品が書けてとてもよかったです！励みになるコメントありがとうございました！ (1月27日 23時) (
レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
キリス(某教祖様)(プロフ) - 完結お疲れ様です！こういう物語好きなので本当にもう好きです！他作品も見させて頂きます! (1月27日 21時) (レス) @page21 id: 62b7efaae2 (このIDを非表示/違反報告)
真下(プロフ) - キリス(某教祖様)さん» ありがとうございます。この後の展開を楽しみにしてください！ (1月22日 17時) (レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
キリス(某教祖様)(プロフ) - 物騒な事にしか思えない…なにを思ってるんだ… (1月21日 19時) (レス) @page8 id: 62b7efaae2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真下 | 作成日時：2024年1月18日 23時
