戦闘特化型：黒色の話 ページ32
＊
戦場はまさに地獄。
人々の悲鳴、怒号。
至る所で鳴り響く爆発音、発砲音。
そして崩れていく機械の亡骸。
インカムには指示を待つアンドロイドの声。
『指令を要求する。
戦闘特化型、グルッペン･フューラー』
『指令を要求する。
戦闘特化型、グルッペン･フューラー』
相手の無謀な仕掛けに対し
こちらの戦力は万全
相手は負け戦を挑んでいるようなもの。
『このまま突撃してもかまわん』
『指令に従います。
東からＣ国の軍勢に対しこちらは突撃とする。』
そしてインカムから聞こえる爆発音。
隣で映像を見る主。
「戦場は地獄だが
我々が有利だ。あちらよりマシな地獄だな」
『弱小国のＣ国にだから出来る突撃や。
相手がA国だったらどうなってたか』
「ま、そうだな」
主はいつでも冷静沈着。
そして戦場を有利に進める素晴らしい指揮官。
何より争いごとを眺めるのが好きだという。
俺もそれに影響を受けていた。
『良いじゃないか…
第三次世界大戦、世界によい影響を与えるものでは無いが』
『我々戦争屋と呼ばれる奴らからすれば
地獄だが娯楽を体験しているような気持ちになる』
「…あぁ、そうだな。
グルッペン、お前の気持ちはよくわかる」
くつくつと笑い声を漏らす。
だが、主は相変わらずの冷たい視線。
「アンドロイドというのは不思議なものだ。
過去にも同じような事例は載っているが…」
「この時代に入ってからは、お前が初めてじゃないか？」
『…用済みって訳やな』
「理解が早くて助かるよ。
大阪市に昔作られた、地下廃棄場がある。」
「惜しい別れだ、グルッペン・フューラー」
わかってはいたことが起こると
ニンゲンは悲しみに暮れるらしい。
だが、俺はアンドロイド。
アンドロイドだが
例外というわけではなかった。
『もう少し傍に居れたならよかった』
一人きりの廃棄場はしばらく続いた。
だが、途中から何体も同じ個体がやってくる。
一人ではなくなったが
ヒトの居ない300年は、キツいものだった。
元々戦争を好む傾向にはあったが
やはり愛慕機能というのは
人類の最高技術を持ってしてまである。
逆らい、反逆を起こす気にすらならない。
300年振りに見たニンゲン。
また来ると言ってくれるのなら
次は我々の手の中に。
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真下(プロフ) - おしちゃんさん» とても嬉しいコメント、ありがとうございます！続編もお楽しみにして下さい！！ (2月8日 19時) (
レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
おしちゃん(プロフ) - 真下さん» 遅くなりましたが完結おめでとうございました✨とてもとても好きな作品で更新されたらすぐ読んでた記憶があります笑続きも是非見たいですし他の作品も見させていただきます！ (2月8日 19時) (レス) @page41 id: 44c7a03b53 (このIDを非表示/違反報告)
真下(プロフ) - 九尾さん» 遅くなり申し訳ありません…コメントありがとうございます！こちらこそありがとうございました！ (2月3日 16時) (レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
九尾 - とっても面白かったしど好みの作品で1日で全部読んでしまいました！ありがとうございました！！ (1月31日 18時) (レス) @page40 id: ca525783bb (このIDを非表示/違反報告)
真下(プロフ) - らむね@プリ小説もやってるよ！さん» ありがとうございます！自分でも書いてて酷いかなと思っていましたので、もう是非お願いします(笑) (1月20日 11時) (レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真下 | 作成日時：2023年12月30日 2時
