政治援助型：水色の話 ページ30
＊
日本政府は諦めようとしていた。
「A国とK国が同盟を結び
既に四カ国、侵略を終えている」
「次は我々ですよ、首相」
沖縄から近畿にかけては
もうほとんど占領されている状態。
本州にまで攻められれば
他国よりも未だ劣っている日本はすぐに終わる。
俺はそんな状況を打破しようと考えていた。
だが、誰かが諦めずに戦おうと宣言しても
首相が首を振る。
「…どうしようも無い」
「首相、まだ可能性は…」
「日本全土に、特攻命令を下せ。
終戦も近い。もう良いだろう」
『おい、それだけは…』
つい口走ってしまった。
だが、まだ可能性はいくつもある。
追い詰められたこの状況下で
国はどんどん弱っていくばかり。
「どうせ時が経てばまた元に戻る。
歴史は繰り返されるだけなんだ」
首相が俺を軽く睨みつける。
まだ、まだ何かある。
防衛に徹してみろ。
特攻以外の可能性を模索しろ。
脳内には数々の戦法が溢れてくる。
何とかしてやらんと。
国は終わる。
『可能性は十も百もあるんや…』
資料の中に何かあるかもしれない。
国を動かす何かが絶対！きっと！
「…コネシマ、お前は……
この状況下で、何をしようとしてるんだ」
『…ご主人。まだ可能性はあるはずや。
特攻命令なんて、返って危険が』
「アンドロイドなら僕に従え。
もう国は終わりだ。もう終わらせた方が、早い」
「…先に、お前から終わらせよう。
まだまだ期待していたんだ、本当はな」
ご主人は疲れ切っていた。
首相という立場、攻め続けられる国。
死んでいく国民。
俺は戦果を挙げるための戦法をひたすらに模索したのに。
何も出来やしなかった。
『あの時代は、地獄そのものだったが…
俺からすれば、良い時代ではあった』
『お前、相変わらずやな…』
『戦場に居たか居なかったかでは
かなり気持ちに差はあるだろう？』
グルッペンのような、ガツガツ攻める奴が
俺の上に居れば、日本はもっと良くなっていたんじゃないか？
今更考えても、地上に出れることはない。
バッテリーが壊れてしまうまで
俺はここで待ち続ける。
製造された時代も悪かったんやろうけど
もっと頼られて愛されたら、どうやったんやろうな。
今度はちゃんと教えてくれよ、ご主人。
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真下(プロフ) - おしちゃんさん» とても嬉しいコメント、ありがとうございます！続編もお楽しみにして下さい！！ (2月8日 19時) (
レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
おしちゃん(プロフ) - 真下さん» 遅くなりましたが完結おめでとうございました✨とてもとても好きな作品で更新されたらすぐ読んでた記憶があります笑続きも是非見たいですし他の作品も見させていただきます！ (2月8日 19時) (レス) @page41 id: 44c7a03b53 (このIDを非表示/違反報告)
真下(プロフ) - 九尾さん» 遅くなり申し訳ありません…コメントありがとうございます！こちらこそありがとうございました！ (2月3日 16時) (レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
九尾 - とっても面白かったしど好みの作品で1日で全部読んでしまいました！ありがとうございました！！ (1月31日 18時) (レス) @page40 id: ca525783bb (このIDを非表示/違反報告)
真下(プロフ) - らむね@プリ小説もやってるよ！さん» ありがとうございます！自分でも書いてて酷いかなと思っていましたので、もう是非お願いします(笑) (1月20日 11時) (レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真下 | 作成日時：2023年12月30日 2時
