五十一話 ページ3
＊
『俺もしんみりは嫌やな〜
短い期間だったけどね、Aちゃん』
『また会いに来てね。ずっと待ってるからさ』
しんぺい神もロボロと同じように
面布を外していた。
話口調は相変わらず軽くて
しんみりした空気が吹き飛ぶ気がした。
『私もこんな雰囲気でお別れというのは
あまり好きではありませんね』
『また昔の本でも読みに来てください』
エーミールが苦笑しながら
手に持つ本に触れていた。
勿論、と意味を込めて頷いた。
『ここに戻った時は
エミさんの本より優先して俺ん所来てくださいね』
ショッピが笑いながらそう言うと
エーミールが”ショッピくん？”と軽く詰めた。
相変わらずだな
そう思いながら笑った。
『いやぁあっという間やな！
…会えてよかったで！』
後ろでエーミールがショッピに詰め寄り
ショッピはどうでもいいと言いたげな顔を見せているが
コネシマは私の傍まで来て
ガシガシと頭を撫でた。
”またな！”
去り際に見せられた笑顔が
朝日に軽く照らされていた。
『……Aッ！！』
コネシマが離れた瞬間
シャオロンが痺れを切らしたように私に抱きついた。
「しゃ、おろん…」
思わずよろめいて
強く締められる痛みも覚えた。
でも、骨が折れてしまいそうとか
そのぐらいではない。
なんというか
”離したくない”ような。
『ワガママって言わんとって…
なぁ、行かんとって…』
『もっと見て欲しい、棄てられたくない…
…おれの、造られた意味がなくなってまう……』
シャオロンは
自分がエンタメ特化型ということにも
強く執着している気がする。
それはヒトに棄てられたからなのか
元々なのか。
私にはわからないけど…
「絶対棄てないよ。
別れも今だけだよ、シャオロン」
『その今が、嫌やねん…』
あぁ私も嫌だ。
本当に、こんなに短い期間だったのに
こんなにも別れを惜しむことになるなんて。
『シャオロン、Aは行かなあかんのやぞ』
『うっさいわゾム、お前かて嫌やろ…』
ゾムがシャオロンの首根っこを掴んで
私から引き剥がそうとする。
何だかその光景が子供同士の喧嘩のようだ。
『離せッ……』
『別れ際に喧嘩なん、Aが嫌やろ』
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真下(プロフ) - おしちゃんさん» とても嬉しいコメント、ありがとうございます！続編もお楽しみにして下さい！！ (2月8日 19時) (
レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
おしちゃん(プロフ) - 真下さん» 遅くなりましたが完結おめでとうございました✨とてもとても好きな作品で更新されたらすぐ読んでた記憶があります笑続きも是非見たいですし他の作品も見させていただきます！ (2月8日 19時) (レス) @page41 id: 44c7a03b53 (このIDを非表示/違反報告)
真下(プロフ) - 九尾さん» 遅くなり申し訳ありません…コメントありがとうございます！こちらこそありがとうございました！ (2月3日 16時) (レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
九尾 - とっても面白かったしど好みの作品で1日で全部読んでしまいました！ありがとうございました！！ (1月31日 18時) (レス) @page40 id: ca525783bb (このIDを非表示/違反報告)
真下(プロフ) - らむね@プリ小説もやってるよ！さん» ありがとうございます！自分でも書いてて酷いかなと思っていましたので、もう是非お願いします(笑) (1月20日 11時) (レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真下 | 作成日時：2023年12月30日 2時
