賭博型：青色の話 ページ20
＊
俺のマスターは金持ちで
自分の利益を追い求めるヒトだった。
「鬱、次の卓だ。
しっかり見とけよ」
『はい、マスター』
自分の利益を追い求めるのは
金に関係することでも、人間関係でもだった。
カジノにハマったから
最新型の賭博型アンドロイドである俺を購入したという。
マスターはゲームが上手なヒトだった。
ゲームにはほぼ毎回大勝ち。
勝った時はとても涼しそうな顔をして
カジノに隣接しているホテルの一室で
煙草に火を付けていた。
けれど、ある日。
マスターはゲームに負けた。
大負けだった。
「その程度だったのね」
そう対戦相手の女に言われたのが
かなり気に障ったらしい。
それからはめっきり勝てなくなっていった。
もう金が無くなる、そんな時に
マスターから一つの提案を貰った。
「鬱、次の卓に改造を施せ」
「テーブルゲームも機械化している物がほとんどだ。
裏でカードをすり替えたり、俺に有利に働くようにするんだ。いいな？」
何か、引っかかる。
『…はい、マスター』
俺が裏で操作をしてみると
マスターは久しぶりに大勝ちした。
相手は大金を賭けていた。
マスターは大量の金を手に入れた。
「次も頼むぞ」
相手を騙すようなことをしたのは
”イヤ”やった。
その時にこれはアンドロイドの中での
異常だと自覚した。
でも、マスターの一言が嬉しかった。
次も、その次も
同じようにした。
でも、隠し切れなかった。
「…き、今日は、帰ります」
対戦相手の女が、卓について
俺を見るなり、そそくさと去っていった。
騙すことにならんくて、良かった。
ほっと胸をなでおろした。
マスターは、それを見逃していなかった。
「鬱」
『…はい？』
「今、何を考えていた」
気付いた時には廃棄場の前まで連れてこられていた。
マスターは気味悪がって俺を雑に引き摺り回した。
その時に焦っていたのか、煙草の箱を落としていた。
今持っている、マスターが居た証拠は
それしか無い。
それ以降はずっとヒトを待っていた。
体感的には何百年も。
その間はずっと虚ろだったような気がする。
けど、Aちゃんが来てからは
ただただ嬉しくてしゃあなかった。
約束、破らんでな。
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真下(プロフ) - おしちゃんさん» とても嬉しいコメント、ありがとうございます！続編もお楽しみにして下さい！！ (2月8日 19時) (
レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
おしちゃん(プロフ) - 真下さん» 遅くなりましたが完結おめでとうございました✨とてもとても好きな作品で更新されたらすぐ読んでた記憶があります笑続きも是非見たいですし他の作品も見させていただきます！ (2月8日 19時) (レス) @page41 id: 44c7a03b53 (このIDを非表示/違反報告)
真下(プロフ) - 九尾さん» 遅くなり申し訳ありません…コメントありがとうございます！こちらこそありがとうございました！ (2月3日 16時) (レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
九尾 - とっても面白かったしど好みの作品で1日で全部読んでしまいました！ありがとうございました！！ (1月31日 18時) (レス) @page40 id: ca525783bb (このIDを非表示/違反報告)
真下(プロフ) - らむね@プリ小説もやってるよ！さん» ありがとうございます！自分でも書いてて酷いかなと思っていましたので、もう是非お願いします(笑) (1月20日 11時) (レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真下 | 作成日時：2023年12月30日 2時
