四話 ページ5
＊
──
十一月の真ん中の頃、
姉が小さな封筒を持っていすに座っていた。
「来月、サンタさんが来るよ孝行」
「クリスマス！」
「そう！だから、お手紙書こうか」
姉からえんぴつを受け取ると
まっ白な紙の上で少し考えた。
何がええやろ。
ゲーム、ゲームええな。
でも、ロボロが持ってたあのプラモデルも…
…本でもええな！小説…漫画とかでも！
欲しいものを考えれば
何個もポンポンと出てくる。
五分くらい、ずっと考えて決まったものが…
「…サッカーボールがええ！」
「いいね、孝行らしいや」
「きれいなサッカーボール貰って
皆と公園であそぶねん」
「…そっか！じゃあ手紙に書いて、置いておこうか」
姉の言葉に頷き
けっしてキレイとは言えない字で
”サッカーボールがほしいです。”
と、自分なりにきれいに書いた。
姉がその手紙を見て
字がキレイだとほめた。
少し嬉しくなって、笑うと
姉は手紙を持っていすを立とうとした。
「姉ちゃんは書かへんの？」
「あ、わ、私？」
「去年も、一緒に書いたやん！今年はいらんの？
姉ちゃん悪いことしてなかったやん」
悪い子にはサンタは来ないって言うけど
姉ちゃんは悪いことはしていない。
むしろいいことしかしていないと思う。
「…じ、じゃあ、今書いておこうかな！
な、何にしようかな〜」
姉ちゃんはまたいすに座ると
えんぴつを持ってうーんと考え始めた。
俺は姉ちゃんが何を書くのかなって気になって
机に身を乗り出して白い紙を見つめた。
姉ちゃんは少し考えてから
えんぴつで書いた。
”孝行のほしい物がもらえますように”
「俺のほしいもん？
姉ちゃんもサッカーボールほしいんか？」
「ううん。
孝行がサッカーボールもらえますようにってお願いしたの」
にっこり笑う姉ちゃんを見て
姉ちゃんは、今は欲しいものがないのかなって思った。
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真下(プロフ) - 羽鶴さん» 遅くなり申し訳ありません…！とても嬉しいです。ありがとうございました。 (1月4日 18時) (
レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - 完結おめでとうございます!!なんとなく寂しい気もしてしまいますが…いつも更新されるたびウッキウキだったので嬉しいです！お姉ちゃんとシッマが幸せに暮らしていくのを願っています！更新期間お疲れ様でした! (12月27日 0時) (レス) @page32 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
真下(プロフ) - 杏さん» 楽しんで頂きありがとうございました。コメントありがとうございました。 (12月26日 8時) (レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
杏(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！ 作品当初からずっと追っていた身なので、クリスマス当日に綺麗に終わったのを見て構成の美しさに感激しました。 あとがきを含め最後まで楽しませて頂きました、素敵な作品をありがとうございます！ (12月25日 17時) (レス) id: efc02aac0e (このIDを非表示/違反報告)
真下(プロフ) - 羽鶴さん» そう言って頂けて嬉しいです。コメントありがとうございました。 (12月25日 14時) (レス) @page32 id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真下 | 作成日時：2023年12月5日 23時
