二話 ページ3
＊
──
姉と二人の生活が始まって
三ヶ月近くが経過した。
小学三年生になった俺と
高校一年生になった姉。
姉は、去年より家に居る時間が短くなった。
いつも家に帰ると置き手紙があった。
『ごめんね、帰り少しおそくなります。
ご飯はすぐ作るからね』
姉の少し下手っぴな犬の絵が添えられていて
下には小さく
”冷蔵庫にプリンあるよ”
と、こっそり教えてくれるように書かれていた。
ランドセルを置いて手を洗って
先に宿題を終わらせる。
その後に、姉が買ってくれていたプリンを食べる。
美味しかった。
それから時間が少し経って
ゾムとシャオロンがサッカーボールを持って家に来た。
「シッマ、サッカーやろや！」
「すぐそこの公園やで！」
宿題も終わっていたし
まだ三時半だったから、一緒に行くと言った。
＊
カラスが鳴き始めた頃。
サッカーには途中からロボロとトントンも来て
皆で楽しく、ボールをけり合った。
「あれ？孝行に希くんたち」
「あ！シッマのねーちゃんやん！」
「Aさん、こんにちは」
ゾムがボールを手に取ると
公園の出入口を見て大きな声を出した。
そこには姉が居て、ゾムの声に反応して
トントンが傍まで行って挨拶した。
「こんにちは。
みんなで遊んでたの？」
「はい、サッカーしてました」
「あ、そうなんだ！
じゃあ、孝行もまだ遊んでたいかな？」
全員で姉の傍へ行き、姉の周りを囲むように見上げた。
姉が俺を見て言うと
今度は皆俺を見た。
姉は大きなビニール袋を二つ持っていた。
きっと買い物帰りなのだろう。
学校に持っていくカバンも持っていて
すごい重そうや。
「…かえる」
「え、いいの？せっかく遊んでたのに…」
「姉ちゃんとかえる」
カバンを貸してくれと手を差し出すと
姉は少し嬉しそうに笑って渡してくれた。
「ごめんね、皆。お邪魔しちゃって」
「ん、ええで！
もうおそいから、帰らなあかんし」
「…いい子だね皆！じゃあ、気をつけて帰るんだぞ〜」
「はーい！」
そう言って皆と別れたあと。
姉ちゃんは俺を見て笑った。
「ありがとうね、孝行
帰ったらご飯食べよっか」
いつもより少し早かった帰りと
その笑った顔で嬉しくなった。
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真下(プロフ) - 羽鶴さん» 遅くなり申し訳ありません…！とても嬉しいです。ありがとうございました。 (1月4日 18時) (
レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - 完結おめでとうございます!!なんとなく寂しい気もしてしまいますが…いつも更新されるたびウッキウキだったので嬉しいです！お姉ちゃんとシッマが幸せに暮らしていくのを願っています！更新期間お疲れ様でした! (12月27日 0時) (レス) @page32 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
真下(プロフ) - 杏さん» 楽しんで頂きありがとうございました。コメントありがとうございました。 (12月26日 8時) (レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
杏(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！ 作品当初からずっと追っていた身なので、クリスマス当日に綺麗に終わったのを見て構成の美しさに感激しました。 あとがきを含め最後まで楽しませて頂きました、素敵な作品をありがとうございます！ (12月25日 17時) (レス) id: efc02aac0e (このIDを非表示/違反報告)
真下(プロフ) - 羽鶴さん» そう言って頂けて嬉しいです。コメントありがとうございました。 (12月25日 14時) (レス) @page32 id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真下 | 作成日時：2023年12月5日 23時
