十七話 ページ18
＊ side pn
──
冬休みが明けて、三学期になった頃。
少し寒い窓側の席の後ろから二番目。
その席に座って体を丸めていると
二学期ぶりの声が聞こえた。
「おはよ、ぺいんと」
「あ、A！おはよう！
だいぶ忙しそうだけど大丈夫？」
「何とかやってるよ。孝行も元気にしてるしさ」
捏島A。
中学からの同級生で
呂戊太と孝行くんの関わりもあって
クラスの中ではかなり話す仲だ。
二学期最後の席替えで、俺の後ろになったから
授業でも休み時間でも
いつでも話すようになった。
「あ、そういえばA
孝行くんがゲーム欲しいって言ってて」
「理由は嬉しかったけど少し厳しいって言ってたよね？
大丈夫だった？」
「大丈夫だったよ。
11月にシフト追加して、店長からボーナスも貰ったし」
Aの家は、両親が蒸発したとかで
今はAと弟の孝行くんと二人だけで生活している。
生活は少し苦しいし
打ち込んでいた剣道も出来なくなって
最初はかなり落ち込んでいたけど
今は孝行くんと居れるなら良いって
ずっとバイトを頑張っている。
「そういや、Aって飲食店で働いてるんだっけ？」
「そうだよ。ほら、駅前の喫茶店」
「あ、あそこだったんだ？
今度、呂戊太連れて行こうかなぁ」
「呂戊太くん来るなら大歓迎だな〜」
「俺だけだったら歓迎しなかったの？」
「うん」
「酷くない？」
それでもAは弱音をあまり零さないし
なんなら今日は孝行くんが〜とか
バイトで起こった面白いこととか
いっぱい話してくれる。
こうやってふざける余裕もあるみたい。
それに、孝行くんとのクリスマスの話もしてくれた。
「あんな久々にゲーム出来てよかったなぁ。
…孝行、まだまだ純粋だよホント」
「…そ、そっかぁ。
呂戊太は希くんに教えられて、それを俺に聞いてきたよ」
「…バレたんだな」
「うん。もうサンタさんって言わなくなっちゃった…」
「ぺいんとが悪いわ…」
「え、やっぱ俺が悪いのかな…？」
そう言うと、Aはプッと吹き出して
声をあげて笑い始めた。
「アハハ…いやぁ、ぺいんと面白いわぁ」
「え、そんなに？」
「そんなにそんなに。
ほら先生来たよ、前向きな」
俺も少し釣られて笑いながら
二人で先生の方を向いた。
三学期も頑張ろう。
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真下(プロフ) - 羽鶴さん» 遅くなり申し訳ありません…！とても嬉しいです。ありがとうございました。 (1月4日 18時) (
レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - 完結おめでとうございます!!なんとなく寂しい気もしてしまいますが…いつも更新されるたびウッキウキだったので嬉しいです！お姉ちゃんとシッマが幸せに暮らしていくのを願っています！更新期間お疲れ様でした! (12月27日 0時) (レス) @page32 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
真下(プロフ) - 杏さん» 楽しんで頂きありがとうございました。コメントありがとうございました。 (12月26日 8時) (レス) id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
杏(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！ 作品当初からずっと追っていた身なので、クリスマス当日に綺麗に終わったのを見て構成の美しさに感激しました。 あとがきを含め最後まで楽しませて頂きました、素敵な作品をありがとうございます！ (12月25日 17時) (レス) id: efc02aac0e (このIDを非表示/違反報告)
真下(プロフ) - 羽鶴さん» そう言って頂けて嬉しいです。コメントありがとうございました。 (12月25日 14時) (レス) @page32 id: d1da9a95a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真下 | 作成日時：2023年12月5日 23時
