【d!】姉がサンタだった件について【kn】

十二話 ページ13

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──



『孝行へ
　今日は夜からのシフトなので、夜中に帰宅します』

『ご飯は机に置いてあるから、あっためてね。
　やり方がわからなかったらこのうらめんを見て下さい』


『おかしはいつもの場所に置いてます
　迷わくかけてごめんね』




家に帰ると、そんな手紙が置いてあった。
机の上には、スーパーの惣菜がいくつかと

昨日の晩に食べた鮭おにぎりの残りがいくつか。





最近は、夜も居ないことが多い。

姉ちゃんはバイトをいくつか掛け持ち、していて
時々夜のシフトが入ることがある。


今日は学校の委員会で
放課後手伝いがあったから


帰りはいつも夕食を食べている頃になっていた。


まだ慣れない電子レンジの操作に戸惑いながらも
何とか食材を温めることはできた。

爆発しなくてよかった。





「いただきます」





家族の居ない食卓とはどうも寂しいもの。

元々母親も忙しい人だったから
毎回毎回、食卓には家族が居たわけじゃない。




母さんが忙しかったんは…
なんでやっけ…



スーパーの唐揚げの少し安っぽい衣が
胃を満たしていく。

水筒に入っていた残りのお茶を飲み干すと
食器と共にシンクへ置いておいた。


可能なことなら洗いたいが…
……俺がやると、どうも面倒だし

何より壊したりしてしまいそうやから



下手に触らない。






日もほとんど落ちてきて
一人でゲームをやるがやっぱり面白くない。

全クリはしたし
今の時間はアイツらも家。



「…暇やなぁ」



何となく

サンタからもらったサッカーボールを抱えながら
姉の本棚から、本を取り出して

ゆっくり、ページをめくった。

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