【d!】異形愛慕 (ページ47)

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四十七話ページ47

＊

──

あれからまた一日経った。

コネシマに情報をもらったが
警察は捜索の範囲を広げたらしい。

この場所に居ることは警察にはバレていない。
だが、範囲を広げたとなると

見つかるのも、本当に時間の問題だ。

『せや、Aに話してなかったことあるな』

「話してなかったこと？」

『ここについての話しとった時
　チーノっちゅう新人が来たやろ』

『話そうと思っとったけど、トントンと兄さんが
　Aのこと呼んどったから話せてなかってん』

あぁ、そう言えばたしかに。

狭い部屋に二人だけ
オレンジライトに照らされていた。

昨日のあの話は

私とチーノとグルッペンとエーミール以外
誰も知らない。

『ここは自我を持ったアンドロイド達が棄てられる場所や
　そしてそのアンドロイドのことを』

『一般市民は全く知らん。
　つまり、ここは行政機関やったり、アンドロイドの開発者とかぐらいしか存在を知らんねん』

「行政機関、開発者…」

『そうや。
　…そんで、警察がここら辺捜索しとるって話、したやろ』

コネシマは、ボロっと崩れてしまいそうな
おそらく元々白色だった
コーヒーカップの手持ちを持ってクルッと回した。

『お前は大阪市に住む行方不明のAA。
　そして近くには地下廃棄場…』

『その廃棄場の扉はチーノの元主によって破壊されてる
　そうグルッぺンから聞いた』

『もう、時間の問題ちゃうか』

コネシマの青眼が私をじっと見た。

あぁ、やっぱりそうだよね。

私は少し黙って、下を向いて
また顔を上げてコネシマを見た。

「…もし、見つかったら……」

『もちろんお別れや。寂しいんか？』

「…そりゃあね。寂しいよ。」

「非日常すぎて、ビックリもあったけど
　…でも皆の主になって、話を聞いて」

「普通に帰るのは、何か違う気がするの」

スカートの裾を軽く握ると
また下を向いた。

『…そぉか。
　やっぱええわ、自分』

コネシマが立ち上がって頭を撫でると
少しだけ目尻が熱くなった。

＊

皆様のおかげでもうすぐ続編になります。
終わり方が微妙になりそうなので

各キャラの過去話を短編で掲載しますので
続編でも良ければお楽しみください。

真下