【d!】異形愛慕 (ページ45)

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四十五話ページ45

＊

──

『それじゃあ、気分は乗らないだろうが…
　可能な限り話してくれ。無理はいらん』

部屋に戻って、適当な場所にそれぞれ腰掛けた。

チーノは私の隣で膝を抱えていた。

『…違法カジノで、いつも通りゲームの準備をしてたら…
　マスターに着いて来いって言われて、着いて行ったら』

『恐らくここの、入口の前に立たされていました。』

＊

「──おい、本当に大丈夫なんかここ…」

「知るかよ！最近の行方不明事件のせいで
　ここら辺は警察がウロチョロしとんねんからはよせえ！」

”焦っている様子のマスターを見て

俺がどうにかした方がええんかなって
マスターに用件を訊ねてみました。”

「あァ？あー…
　ちょっと待っとけ。オイ、何か殴れるもんあるか？」

「こんなもん落ちとったわ。
　ゴミの山にあったから、廃材っぽいけどな」

”マスターはいつもより焦っていて
早く早くとお互いを急かしていました。

重たそうな扉に向かって

マスターは鈍器のようなものを振りかざしました。”

「うっし、壊れた…！！」

「なぁホンマに、大丈夫なんかこれ…」

「自分、違法カジノに通い詰めのクセして何言ってんねん
　…よし、チーノ」

『はい、なんでしょう！』

「この中に入れ」

”奥は暗くて、昼間なのに何も見えない。
マスターはそこを指さしていた。

そして、何となく察していた。

棄てられると。”

「なんや、入れへんのか？
　マスターの命令やぞ、チーノ」

『……マスター、たちは…』

「アー…ええからはよ入れ」

”はぐらかされて、確信を得て…
抵抗した。

訳の分からない場所に
実のマスターに棄てられるなんて

嫌だった。”

『す、棄てやんとって…！』

「ウ、ッワ、これが故障したアンドロイドかいな…」

「スリープさせえ！警察来たらどないすんねん！」

”懇願したけれど

もう、そこからのメモリーは無い。”

＊

『…お前のマスターは
　犯罪にかなり手を染めているらしいな』

『でも、ダイスキやったんです…
　今は、Aさんしか居らんけど…』

チーノの話を聞いて
私の気は立っていた。

『扉の件に関しての全貌は明らかになった。
　…今日は部屋に戻るとしよう』

『細かいことはまた後日。
　今日はゆっくりしておいてくれ』

私とチーノ以外の二人が部屋を去って
私は胸糞が悪いまま

トントンの部屋に戻ることにした。