【d!】異形愛慕 (ページ41)

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四十一話ページ41

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昨日チーノを発見した所に行くと

グルッペンとエーミールが話し合っているようだった。

「あ、二人とも」

『Aさん、おはようございます』

『おはよう。ちょうどいい所に来てくれたな』

ちょうどいい所？

何か用事でもあったのかと聞けば
グルッペンは頷いた。

『あぁ、チーノに話を聞きたくてな…
　出来れば呼んできて欲しいのだが、頼まれてくれないか』

「それくらいなら全然。
　チーノなら今、トントンの所にゾムとロボロと居るから…」

『あぁ、説教か。三人は災難やな』

『トントンさんから話を聞きましたが
　全員、自業自得だと思いますよ』

『主の心情を察することもできないみたいですし』

エーミールがため息混じりに言うと
グルッペンは笑った。

別に、気にしてないからいいんだけれども…

「とりあえず、チーノを呼んできたらいい？」

『あぁ、わざわざ来てくれたのにすまないな。
　まだエミさんと少し調べたい箇所もあるもんで』

『お手数おかけします…』

「全然いいよ。ちょっとだけ待ってて」

来てすぐではあったが
呼びに行くくらいならと部屋を後にしようとした時

グルッペンに呼び止められる。

『あぁ、それともう一つ…
　Aにも話がある』

「私…？」

『あぁ。だが、これはチーノに話を聞いてからやな』

真剣な表情、声色で話があると
グルッペンは言う。

…とりあえず、チーノを呼びに行こう。

私に話があるというのに
先にチーノを呼べと言うのは

チーノに話を聞いてから
出ないといけないからなのだろう。

私は頷いた。

「わかった。じゃあ一瞬だけ、またね」

『あぁ、また』

二人に手を振ると
二人も同じように手を振り返した。

…彼らとの別れも、近かったりするのだろうか。

そう思った。