【d!】異形愛慕 (ページ5)

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四話ページ5

＊

───

『──…？』

『───…』

頭の痛みが鮮明になってきて、
徐々に意識もハッキリしてくる。

目を開けると、ズキっと頭が痛んだ。

少し起き上がろうとして視界を泳がせると
辺りはさきほどの部屋より綺麗で

私が寝転んでいるのは床のようだった。

だが、頭の下にはクッションのような物が敷かれている。

『あ…A、まだ起きん方がええで』

「…えと…、ゾム？」

『！そう…！ゾム、ゾムやで！！』

うろ覚えに近い彼の名前を呼んでみると
それはそれは嬉しそうにこちらへ近寄ってくる。

『ゾム、まだ起きたばっかりなんやから変に刺激しないでね』

『あ…スマン、A…』

「いや、別に…」

”神”と書かれた面布を顔に掛けた…
恐らくゾムと同じくアンドロイドが指摘をすると

ゾムはわかりやすくしょぼんと口角を下げた。

彼の姿は、感情豊かな人間としか思えない。

『Aちゃん…だったよね？
　俺も勝手に登録しちゃったんだ、ゴメンね』

「は、はい。
　名前…は」

『あぁ…個体名はしんぺい神。
　医療特化型のアンドロイドだよ〜』

「医療特化型…」

しんぺい神と名乗ったアンドロイドは
医療現場で主にサポートをする
”医療特化型”のアンドロイドらしい。

彼も何だか、マニュアルに沿って動く
”彼ら”とはどこか違う気がする。

「あの、しんぺい神、ゾム…」

『なんや？何か聞きたいことあるか！？』

「うん…
　あのさ、ここってどこなの？」

一番に聞きたかったことを訊ねた。

私は二人のようなアンドロイドを見たことがない。

こんなに、人間と全く同じようなアンドロイドは…

『んー、なんて説明したらええんやろ…』

『そうやなぁ…』

私が問いかければ
二人は少し困ったように顔を見合わせた。

少し間が空いてから、しんぺい神が口を開いた。

『……地下廃棄場、って所かな』