【d!】異形愛慕 (ページ40)

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四十話ページ40

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『俺は自我芽生えた以外の不具合は無かったから
　普通に法律で許しを得てるカジノでマスターとゲームしてたりしててん』

『でも、新入りのチーノは
　法律に引っかかってまう、違法カジノでゲームしてた』

「そう、だね」

『俺も詳しいことはようわからんけどな』

『違法カジノに駆り出されてるアンドロイドは
　大体が、公に出る前に自我が芽生えとるやつや』

「それはつまり、他の皆みたいに
　開発途中で自我が芽生えたってこと？」

『まぁそういうこっちゃ。
　チーノも大方そうなんやろ』

『自我が芽生えても尚、公ではないが
　ニンゲンの元へ出されるアンドロイドってのはな、賭博型しかおらんねん。』

『なんでか言うたら、まぁ
　アンドロイド自体が賭けの対象やったりするからやな』

アンドロイド自体が、賭けの対象…

『チップを賭けてゲームをするニンゲン
　そのチップがアンドロイドに置き換わって』

『違法な場で、違法なゲームを行う
　そしてチップやアンドロイドをどっかのお偉いさん渡して、自分に有利な商法とったりするんや。』

『半分ぐらい詐欺やな。
　それに受け渡す開発者は、まぁ大体が軽犯罪には手ェ染めとるわ』

『この話聞いたんは、俺の前のマスターが
　時々違法カジノのニンゲンに賄賂とか貰ってたからやわ』

『それも自我が芽生える一つの要因になってもうたんや』

”おかしな話やろ”

大先生は笑うけど
私は口角が下がるばかりだった。

「…皆は優しすぎるんじゃない？」

『そうかぁ？皆ニンゲンがダイスキなだけやで』

「…設計、だよ」

『…Aちゃんは、僕らがAちゃんのこと
　ダイスキなの、嘘や思てる？』

それは……

嘘ではない、と思っている。

少し首を振った。

『まぁ、例え設計やったとしてもな
　僕らは絶対、Aちゃんのことダイスキやったと思うで。人間愛慕の機能が無かったとしても』

大先生は私の頭を少し乱暴に撫でた。

『せや、グルちゃんが昨日の場所もっかい調べとるわ
　エーミールも居るから、話聞いてき』

「……そう、する。ありがとう、大先生」

最後、儚く笑った大先生に対して
私は少し、不安になってしまった。