【d!】異形愛慕 (ページ26)

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二十六話ページ26

＊

「オスマン…と、ひとらん」

『そうそう！
　…ヒトに名前呼んでもらえるん、やっぱ嬉しいわ』

『いつぶり？もう百年とか普通に経ってるし…』

「みんな、当たり前に言うね…」

人生100年時代って言葉もあったみたいだけど…

実際、100年も生きてる人は少ないからな。

『…あ、てか、普通にお話してもうたけど
　Aちゃんコネシマんとこ行くんやろ？』

「うん」

『コネちゃんは確か
　今日はエーミールの部屋に居なかったんじゃないかな』

「そっか、どこに居るかはわかったりする？」

『コネシマがよく使ってる部屋やねんけど、
　多分Aちゃんは知らんのちゃうかな』

私が頷くと、ひとらんとオスマンは顔を見合せた。

オスマンが私の手を取ると

『じゃあ、俺たちが案内してあげるめぅ！』

ぎゅっと握ってそのまま
エーミールの部屋がある方向へ歩き始めた。

ひとらんは私の隣に来て
マスクを顎まで下ろして笑った。

『コネちゃんの所までだけど、少しお話して欲しいな』

「…うん、ありがとう二人とも」

握られている手に力を込めると、
オスマンも微笑んだ。