【d!】異形愛慕 (ページ23)

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二十三話ページ23

＊

──

『お、目ぇ覚めたな』

「ロボロ？」

すっかり狂ったかもしれない生活リズム。
時間もわからないまま目が覚めた時

面布を外しているロボロが居た。

『久々やなA。居って良かったわ』

「久しぶり？
　何か用事でもあった？」

『あぁ、そうそう…』

大きな桃色の瞳が、少し愛らしい顔だ。
初めて見たな…

しんぺい神はどんな顔なんだろう？

そんなことを考えている間に
ロボロは私の服の襟に

小さな機械のような物を取り付けた。

「これ何？」

『GPS』

「なんでまたこんなものを…」

『ほら、会いたい時会いに行けるやろ？』

ロボロは襟元を見て、満足そうに笑った。

「別にこれがなくても、会いに来たらいいでしょ？」

疑問に思ったことを口に出してみれば
ロボロは少しため息をついた。

『…そういうモンつけとったら、
　他の奴らもあんま近寄らんやろ？』

『俺のモンって証明のさせ方が、俺にはこれしかなかってん』

少しだけ恥ずかしそうに
ロボロは顔を逸らした。

男避けのネックレスのような…
そんな役割のこれを見たら、

私も少しだけ恥ずかしくなった。

「…ありがとう？」

『……んふふ、あんさんはホンマええ子やで』

『前のご主人、理由話したら不気味がってんで？
　なのにAは、お礼なんか言うてもうて…』

ロボロは私を見て、目を細めながら笑った。

座っている私に
ロボロは肩を埋めるように身を寄せた。

『なんて言うたらええんやろうなぁ…
　とにかく、スキや、Aのこと』

「…あの、普通に恥ずかしい」

『俺相手に恥ずかしい思てくれるんか…
　アンドロイドやで？』

いや、アンドロイドだとしても…
恥ずかしいものは、恥ずかしいだろう。

人間とほとんど変わらないような彼らは
平然とスキだと言う。

私には縁のないような言葉が飛び交うと
そりゃあ驚くし恥ずかしくもなる。

『…ゾムもシャオロンも大先生も皆Aに近寄りすぎやねん。
　Aには俺の横居って欲しいのに』

…ロボロの言動は、言葉の節々というより
言葉自体が独占欲満載な気がする。

前の主にもやっていたみたいだし…

「ロボロは、本当に人が好きなんだね」

『…今のご主人はアンタやで？せやから、あんさん一筋やわ』

顔を離して、ロボロは少しむくれた。

独占欲満載でも、可愛らしくて…
思わず撫でると、ロボロは顔を逸らした。