【d!】異形愛慕 (ページ21)

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二十一話ページ21

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──

『え、僕らの話？』

「うん、ちょっと聞いてみたくて」

ここに来て、恐らく三日と少し経った頃。

不意に興味が湧いた、彼らの話。

シャオロンと大先生が居たから
隣に座らせてもらって、話を聞かせてもらうことにした。

『いっぱいは話せへんけど…それでもええなら』

「話してくれるだけ嬉しい」

『じゃあ、俺からちょっとだけ……』

目の前に居るシャオロンは、
少し恥ずかしそうに口を開いた。

『前もちょっとだけ話したけど、俺エンタメのアンドロイドやねん。ほんまやったら…アイドルとして、テレビ出てたんちゃうかなぁ』

『でもな、自我が芽生えてからすぐ、ここに来ててん』

「人間は、アンドロイドに自我が芽生えたっていうのがわかるの？」

『結構すぐわかるもんらしいで。
　アンドロイドはニンゲンたちの言うことを聞いて動くモンやけど、自我があるアンドロイドは、”嫌”とか”嬉しい”とかのちゃんとした感情があるわけやから』

『ニンゲンの命令に少しでも首傾げてみたら、コイツはもうアカンってなる』

シャオロンは少し悲しそうに言った。

彼らがニンゲンに対して未だ献身的で
私に対しても何も恨みを持って接してこない。

本当に、ニンゲンがスキなんだろうけど…

人間は、すぐにモノを恐れるんだ。

『でな、俺もいつ自覚したとかあんま記憶してないんやけど…』

『ただ、開発者のヒトが俺を見て、少し怖がってた。
　それが、記憶にずっと残ってんねん』

自分の目元に小さく触れて、
シャオロンは苦笑した。

次に口を開いたのは大先生だった。

『僕もそうやなぁ…、対戦相手の女が、俺見て不思議がって、逃げるようにテーブルから去ってったわ』

「…大先生は、公に出てたアンドロイドだったの？」

『ちょっとだけやけどな』

そういえば、大先生は”賭博型”と言っていた気がする。

シャオロンのエンタメは聞いたことがあるけど…

賭博型は、一度聞いたことがあるかないか、
それくらい耳にしたことがない。

「大先生、賭博型っていうのは…」

『…あぁ、Aちゃんはまだ学生さんか。
　賭博型ってのはそのまんまや』

『カジノとかのギャンブルで、ニンゲンの対戦相手やったり、色々サポートとかするモンや』