【d!】異形愛慕 (ページ18)

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十七話ページ18

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『用あるか言われたらそりゃ、ダイスキなニンゲン見たいからに決まっとるやろ』

大先生と呼ばれたアンドロイドは、
エーミールではなく私の方へ寄ってくる。

『賭博型アンドロイド、個体名は鬱や。
　まぁここの奴らには鬱先生やら大先生とか呼ばれとるわ。』

『呼び方は主人の好きな呼び方でな』

それに続いて、ショッピくんと呼ばれていた
アンドロイドもこちらへ来る。

『俺は一応エミさんにも用事あるんで。
　ショッピです。ゾムさんとかと同じ戦闘特化型のアンドロイドです』

鬱のことは…、大先生、と呼ぼう。

大先生とショッピは、私を見ては少し笑う。

『やっぱええわぁニンゲンって…、なぁ？ショッピ』

『数十年ぶりですけど、やっぱ綺麗っすわ』

大先生の手が私の頬に撫でるように触れて
アンドロイドとは思えないほど妖艶な瞳でこちらを見る。

『主の名前の登録が完了しました。』

音声が二つ聞こえた。

『アンタがご主人様です、Aさん。
　時間は有限ですけど、俺らの傍におってくださいね』

ショッピがエーミールの方を向くと
綺麗な横顔がオレンジライトに照らされた。

エーミールの方に目を向けてみると、
マズイとでも言いたげな表情で大先生の後ろを見ていた。

再び大先生を見ると
大先生は私を見つめていた。

『…Aちゃんは、きっと短いであろう時間で
　僕らにどう思いを向ける？』

『どう、俺らと過ごしてく？』

大先生の人差し指が耳たぶ付近に触れた時

ドスの効いた低い声が耳を刺激した。

『おい、大先生…
　何Aに触っとんねん』

その声の正体は
怒りを顕にしたゾムだった。