【d!】異形愛慕 (ページ15)

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十四話ページ15

＊

シャオロンより一回りか、
二回りくらい小さく

少し不思議な雰囲気の”ロボロ”。

『執着心強いんは、ロボロも同じやろ』

『皆、ニンゲンに執着しとるで』

険悪なのか、
シャオロンは隣でロボロを睨んでいる。

ロボロはこちらに来てしゃがみこんだ。

『ペ神から色々聞いとるけど…
　…うん、久々に見ても綺麗やわ』

「えっ…と？」

前にしゃがんだと思えば
ロボロは左手を伸ばして私の頬に触れた。

アンドロイド特有の機械感のある指が
少しだけくすぐったく感じる。

『ニンゲンってのは、綺麗やねん。
　歴史書とかに載ってるニンゲンは…戦争とか、汚いこともやっとるけど、俺らはそんなニンゲンがダイスキでしゃあないねん』

『やから、棄てられたら悲しいんやで』

ロボロの手が離れると
シャオロンがまたすぐに飛びついてきた。

さっきより腕に入っている力が強い気がする。

『あんさんがここに居る限り、ずっと俺らの主人やで。
　壊れても、隣におってや』

ロボロはそう言って
右腕の袖を捲った。

捲った腕は、ボロボロになっていた。
回路が見えていて
私は少し目を背けたくなった。

「……傍に、居る、けど…
　ロボロのそれは、直らないの？」

言動がまるで…
もう自分は壊れてしまうから
と捉えられるような言い方をするロボロに

不安を覚えた。

『…おい、あんまA不安にさせんなや』

『ちょっと反応見たかっただけやん』

『…A、コイツ壊してもええで』

「いや、直さないとでしょ！？」

『ほら、俺たちのご主人こんな優しいで？』

『ほんまは俺だけの主がええ』

『独り占めとか無いわぁホンマ』

『ロボロだってそうやろ！！』

私の隣で口喧嘩が始まってしまって
内容だけ見れば照れくさいが

ヒートアップしていって言葉がどんどんきつくなっていく。

「早く戻ってきてぇトントン…」

私は嘆きながら、二人を宥めようとするのだった。