【d!】異形愛慕 (ページ13)

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十二話ページ13

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『…なるほどなぁ。
　充電もしばらくせず、ずっと動いとった訳や』

「充電、どれだけ掛かりますか？」

『100年前のアンドロイドやし、ここ地下やから…
　…早くて1時間掛かるか掛からんかやな』

シャオロンがスリープモードに移行してから、
私はゾムに案内されながら

”トントン”というアンドロイドの元へ来た。

トントンの隣で
シャオロンは座った状態で充電器に繋がれている。

『んで、Aのことについて色々聞きたいんやけど…』

『……』

トントンは、私の隣に居るゾムを見た。

『コイツ何に拗ねてんねん』

『…トントンにも盗られる』

『俺も主欲しかったに決まっとるやろ。
　それに登録も合意の上やぞ』

ゾムは私の腕にしがみついて
もたれるように私の傍に居る。

どうやらさきほどシャオロンが飛び付いたことが
”盗られてしまう”と思ったらしい。

『…まぁええわ、ゾムのことは放っといてやってくれ』

『放ったらかしにせんとってぇやA…
　俺にかまってぇや』

「…一旦トントンの話聞こう？」

『……ええぞトントン、話せ』

広い間が入った気がするが
ゾムはトントンに話していいと許可を出した。

トントンはため息をこぼせば
こちらを見た。

『一応改めると、トントンって言います。
　”機械整備特化型”で、割と何でも機械なら直せる型やで』

『んで、A
　聞きたいことは山ほどあんねんけど…』

『どうやってここに来たん？』

トントンは真剣な眼差しでこちらを見た。

私は少し考えると
”…わからない”
とだけ答える。

『…わからないってどういうことや？
　ここに来れるのはニンゲンだけやろ』

「いや、わからないの。
　私は開発者の人たちみたいに作業服じゃないでしょ？」

「ポロシャツに、ベストとプリーツスカート…
　これ、高校の制服なんだよ」

ほら、と制服を少し伸ばして見せると
トントンは小さく唸った。

『…はぁ、ほんまわからんわ。
　とにかく、100何年ぶりにニンゲンが見れて良かったわ』

トントンはそう言って
苦笑したように笑った。