【11-13 Another】 ページ38
. TH side
「A、」
「ジミナ...」
「...！」
今日もAの病室へと足を運んだ俺の視界には、空っぽの病室。
何ていうか、もう慣れたつもりだった。
Aは俺と同じ様に毎日、自分の��彼氏��の元へ出向いている。
ジミナの病室から聞こえた声に、びくりと肩が揺れる。
ここ一週間、ジミナは恥ずかしいからとAをさん付けで呼んでいたのに...
知らないうちに進展している二人に密かな焦りが浮かぶ。
それから少しして何食わぬ顔でジミナの病室に入ると、
何も聞いていないように二人と話して、Aの定期診察に付き添った。
「診断結果を伝えないでほしい、ですか...」
「...お願いします。伝えたらきっと、もっと混乱する」
「.....ご親族と周りの方にはお話させていただきます」
面会時間終了間際、
眠ってしまったAの頭を撫でてから担当医に無理を承知で検査結果をAに伝えないでほしい、とお願いした。
Aは今、自分の脳が正常だと思い込んでいる。
でも今日の検査結果を聞けば記憶の引き出しに異常がある事が分かってしまう。
確かに俺は、Aが好きだけど
もし、Aが記憶を失うそもそもの要因が俺だったとしたら。
彼女を傷つけたのが俺だったら。
...仮に、俺と一緒になるより幸せな道が
ジミナを愛し、ジミナに愛される方がAにとって幸せなら、俺はこのままでも良いんじゃないかと
心の何処かで思ってしまって。
「A、おかえりー」
「...テヒョナ？」
それでも俺は、やっぱりAが好きで
Aにも思い出してほしくて、
君に気持ちを伝えたあの日と同じように黒髪に戻して
気づいてくれたら、思い出してくれたら、って
狡いこと考えてる。
また俺のところに戻ってきてよ。
.
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ヒスイ(プロフ) - イヴさん» コメントありがとうございます！最後まで宜しくお願いします！ (2018年8月4日 8時) (
レス) id: c06cea6d4c (このIDを非表示/違反報告)
イヴ - いいはなしやー、、、 更新ファイトでし！ (2018年8月3日 19時) (レス) id: c632785a56 (このIDを非表示/違反報告)
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