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. JK side
「ジョングクくん、時間大丈夫なの?」
日が傾いて、だいぶ辺りも暗くなり始めた頃。
車飛ばせば十分も掛からないよ、だいじょぶ、
そう言って親指を立ててヌナを見るとそっかと笑いが零れた。
マネヒョンが迎えに来てくれるから、あまり時間のことは気にしていなかった。
最後に来たのは、
まだあの日よりもだいぶ明るいけど、ヌナは気づいたのかぴたっと足を止めた。
「...今日はそういう日なの?」
「うん、俺ヌナにはちゃんと幸せになってほしいから」
「.....ふ、何それ」
今も幸せだよ、そう言う彼女はやっぱりどこか辛そうで。
ううん、まだ、ヌナはもっと幸せになるんだよ
そう言ってしまいたかったけど
何だかそれはそれでヌナを責めてる様にも聞こえて、何も言わず口を閉じた。
「もう二年も来てなかったな…こんなに近いし綺麗なのにね」
「...」
「ジミナに感謝しなきゃなぁ」
ぼんやり遠くを見つめながら、そう呟くヌナは
橙の光に包まれて、今にもどこかへ行ってしまいそうだった。
ぐっとヌナの左手を引っ張ると、ジョングクくん?と不思議そうに彼女が振り返る。
ばさっと隠していた小さな花束を彼女の顔の前に出すと、花越しにわっと声が漏れた。
勿忘草の花束。
お願いヌナ、もう辛そうな顔しないで。
ヌナだって気づき始めてるでしょ?
サプライズだよ、固まったヌナにそう笑いかけて時間切れを告げるスマホのタイマーを静かに切った。
帰ろう、安心できる人の元に。
.
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ヒスイ(プロフ) - イヴさん» コメントありがとうございます!最後まで宜しくお願いします! (2018年8月4日 8時) (レス) id: c06cea6d4c (このIDを非表示/違反報告)
イヴ - いいはなしやー、、、 更新ファイトでし! (2018年8月3日 19時) (レス) id: c632785a56 (このIDを非表示/違反報告)
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