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「テヒョン、今日は練習に行けってあれほど...」
「Aとジミナの顔見たらすぐ行きますよー!」
駄々っ子の様にそう言って、おはよう、とまだ済ませていなかった朝の挨拶に困惑。
ソクジンさんに支えられてベッドに戻ると、彼の大きな目が覗き込むように私を見つめた。
ジニヒョン、早くジミナのとこ行って!
思い出したように席を立って
ソクジンさんの背中を押して無理矢理病室から追い出したテヒョナは
くるっとまた戻ってきてパイプ椅子に腰掛ける。
いひひ、といたずらっ子みたいに笑って
髪染め直したんだーと自分の前髪を少し引っ張って光に透かすテヒョナは
ちらりとこちらに視線を移すと、
どう?と期待のこもった眼差しで私を見つめた。
「似合ってるよ、黒髪。Vはいつでもかっこいいねー」
「...Aって俺のことからかう時、いつもVって呼ぶんだよ、気づいてた?」
ムスッとした態度でそっぽを向いてしまったテヒョナにクスクス笑っていると
なに、と不機嫌な目がちろりと動く。
テヒョナはかっこいいよ、
彼のしっかり染まった黒髪を撫でると少し傷んだ髪が手のひらをくすぐる。
知ってるよ、
ひどく落ち着いた声に戻って彼を見る。
テヒョナは柔らかい表情で自分の髪を撫でる私を見つめていて
恥ずかしさからぱっと手を離した。
「二年前も黒髪でさー、Aがいっぱい褒めてくれて染めるのめっちゃ躊躇したんだよね」
「...そうだったっけ?」
「うん、」
普通に嬉しかったなー、でもどんな髪色でも俺かっこよかったでしょ?
ニコニコと首を傾げるテヒョナ。
よく覚えてるなーと、四角く笑う彼を見てただなんとなくそう思った。
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ヒスイ(プロフ) - イヴさん» コメントありがとうございます!最後まで宜しくお願いします! (2018年8月4日 8時) (レス) id: c06cea6d4c (このIDを非表示/違反報告)
イヴ - いいはなしやー、、、 更新ファイトでし! (2018年8月3日 19時) (レス) id: c632785a56 (このIDを非表示/違反報告)
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