【HQ】告白したら避けられ始めた【二口堅治】

7 ページ7

「えっ、流石にそれはないっスわ(笑)。これ二口の真似。どう？結構似てない？」


部活が終わり、後片付けも完了した体育館の床に寝転がる俺にそう言って寄ってきたのは、案の定というかなんというか。滑津だ。


「やめろ…マジ今の俺にめっちゃ効くから…」

「二口今日めっちゃミスしてたもんね〜。委員会で上手くいかなかったのダダ漏れですよー」


肉まん2個で聞いてあげるよ、とドヤ顔で親指を立てる滑津。
太んぞ、なんて言ったら殴られるだろうか。


________

「なんだ、話せたんじゃん」


てっきり話しかけることさえ出来なかったのかと思ったわー、と俺の奢りの肉まんを片手に持ち、コンビニを背に話すのはバレー部マネージャーの滑津舞。
さっきは、人のお金で食べる肉まん最高！とか言って1個ぺろっと食ってた。俺の相談乗ってるの食べ物目当て説出てきたなこれ。
まぁ理由は何であれ、相談に乗ってもらえるのはとても有難い。


「本気で嫌がられてない感じ、まだ脈アリっぽくない？」

「アイツが優しすぎる、とかじゃなくて？」

「あー、その可能性も有るね！」


脈アリなのか。彼女が優しすぎるのか。果たしてどちらなのだろう。
そんなことは本人にしか分からないので、この事について考えるのはすぐにやめた。

もっともっと俺を意識して、そんでもって好きになってくれれば…なんて。避けられてる今の状況で、どうやったらもっと意識させられるのだろうか。
話せなきゃ意識させる言葉をかけることも出来ないので詰みだ。
LINEはもし既読スルーされたら藤宮の反応が分からないし、色々考えて俺が凹みそうなのでその選択肢は無し。

…あれ？待てよ？アイツは今、気まずいって思っていて。その気まずい理由が滑津の言っていた通りだとしたら？
ぎこちなくても良いから避けないでくれ、と伝えればワンチャン…？
だからそれをどうやって伝えれば…。って、答えあるじゃん。今までだってそうしてきた。

話しかけまくるしかない。

8→←6

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す