【HQ】告白したら避けられ始めた【二口堅治】

3 ページ3

久しぶりに藤宮と会話ができたあの日から早1週間。


「っはぁ〜…つっかれた〜〜…」


ため息を吐きつつ鞄を投げてベッドへ身を投げると、ボスッという自分の身体がベッドに沈む音と、ドスッと鞄が床に落ちる音が耳に響く。
下に降りた時また母さんから静かに置けって注意されるんだろうなぁ、なんて考えながらスマホを取り出す。
なんとなくLINEを開けば、そこには最近全く上に並んでいなかった文字が並んでいた。


「は！？何で藤宮から！？」


驚きのあまりベッドから飛び起きたせいで膝をぶつけたがそんなの知ったこっちゃない。
藤宮。あの今も尚、俺の事を避け続けている藤宮から連絡がきているのだ。
最後のメッセージはスタンプらしく、開かないことには内容が分からない。
どんどん速くなっていく脈拍。少しでも落ち着く為に沢山深呼吸をして……いざ行かん！！


「………なんだよ…間違って電話かけてきただけか…」


ドキドキしていた時間を返してほしい。
ほんのりと熱を帯びていた頬も、何事も無かったかのようにスッと熱が引いてしまった。
ため息を吐いて再びベッドに身を沈め、額に手の甲を当てる。

一体、どうすればいいんだろう。どうすれば、藤宮とまた普通に話せるようになるんだろう。
そうやっていくら考えてみても答えはいつも見つからずに終わる。
押してダメなら引いてみろ、なんて言葉があるけれど、今やっても余計に距離が出来てしまうだけな気がして。結局はただただ話しかけ続けているだけ。


「クッソ〜なんも思い浮かばねぇ〜」


…思い浮かばないのにいつまで考え込んでたって仕方ないか。

再びスマホを手に取って藤宮とのトーク画面を開く。気にすんな、と一言だけメッセージを送り、身体を起こして自室を後にした。

4→←2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す