【HQ】伊達の鉄壁ならぬ絶壁なウチのマネの泣き顔を見て惚れました【二口堅治】 (ページ4)

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部活が終わり、お疲れっした～と部室から荷物を持って外に出る。

すると、少しタイミングが被ったようで、校門に向かう香月の後ろ姿が視界に飛び込んできた。

軽く走って香月に追いつき、ぽんっと肩を叩きながら

「一緒に帰ろうぜ」

と言えば、

「え？二口、私とは反対方向じゃなかったっけ？」

「はぁ……」

そんな言葉に、自然と溜息が出てしまう。

「何で溜息つくの」

無意識なのかは分からないが、むぅと頬を膨らます香月。

それに少しドキッとしたのは、心の中にひっそりと隠しておく事にした。

「うるせぇ、ほら帰るぞ」

「いやでも、悪いし…」

「黙んねぇとその口塞ぐけど？」

ぐいっと顔を近づけそう言えば、黙ります！と両手の人差し指をクロスさせ、口元に持ってくる。

一々仕草がズルいなぁ、なんて思ったり。

まぁ、拒否られたのはちょっと傷ついたけど。

そんなすぐ他の男好きになれるわけないか。

そう自分に言い聞かせ、帰るぞと香月に声を掛けて一緒に校門を抜けた。