第３２話 ページ32
柊羽sede
「仲直りしてきなさい！」
そう朱音に怒られて渋々家に向かった
「珠樹」
ドアを開けて鍵を閉める
「おい」
いつもなら『どうしたの〜？』って声が聞こえるのに聞こえない
拗ねてんのか？
「珠樹」
風呂場のドアが閉まってる
まだ風呂入ってんのか
「たま…珠樹！」
そこには湯船で意識を失ってる珠樹がいた
「馬鹿野郎いつから入ってたんだ！」
湯がぬるくなっていた
急いで体を拭いてかごに置いてあった下着や服を着せて担ぐ
「珠樹！」
一応声をかけたが返答がない
部屋に連れて行ってベットに寝転ばせ飲み物を取りに行く
戻ってきてみると珠樹は目を開けていた
「あ、柊羽〜」
無邪気に笑って俺を呼ぶ
「んだよ馬鹿」
水をやると起き上がって少しずつ飲む
「えへへ〜柊羽だぁ〜」
ふにゃと笑う姿に俺は弱いのかと考えさせられる
「心配ばっかかけてんじゃねぇよ」
「ごめんなさい…」
「ったく…お前好きなもの変わったか？」
「ううん」
「今日は好きなもの作ってやっから寝てろ」
「いいの！？」
「あ、おい！水！」
「あ〜！濡れちゃった〜笑」
「笑い事じゃねぇだろ！」
「ってお前…顔赤くね？」
「気のせい！」
「馬鹿幼馴染みの俺が言うんだからそうだろうが」
熱を測ると確かに高かった
「お前美輝の家で何された？」
「後ろからぎゅ〜ってされた！」
「他は？」
「付き合わないかって聞かれた！」
「…他」
「帰したくないって言ったらどうする？って言われた！」
「それだけか？」
「うん！」
「それで？お前の意見は？」
「う〜ん悩んでる！」
「悩むなよ！」
「ほぇ？でも、もう辛いの嫌なの！」
「…」
「もう私は柊羽の玩具でも道具でもない…帰って」
「珠樹」
「帰って！」
珠樹は叫んで布団を被ってしまった
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作者名：灑那 | 作成日時：2017年5月26日 1時
