第15話 ページ15
柊羽side
「柊羽!」
「朱音どうした」
保健室から出ると朱音が抱き着いてきた
「珠樹ちゃんどんな様子…?」
「目を覚ましたがちょっと混乱してるみたいだった」
「そう…今入って大丈夫かなぁ…」
「もうちょっと時間置いたらどうだ?」
「うん…」
少ししょんぼりしながら歩き出す朱音
「それは?」
手に持っているものが気になり話しかけてみた
「あぁ、これ?調理自習で作ったの柊羽にも後であげるね」
「あぁ」
甘いものはそこまで好きじゃない
昔は甘いものは珠樹が食べてくれていた
『美味しいのに食べれへんとか勿体ないで!』
無邪気に笑うその笑顔は小さいながらに魅力を感じていた
「あ…でも珠樹ちゃんって甘いもの大丈夫かな…」
「大丈夫だろ女子ってそうゆうの好きだろうし」
「そうよね!」
小さい時は珠樹が好きで勝手に両想いなんだと思ってた
でも違った
珠樹は翔琉の事が好きだった。
「珠樹ちゃんと連絡交換出来るかな!?」
「どうだろうな朱音次第じゃないか?」
「そっか〜!私次第か!」
それから俺は珠樹から離れた
それが珠樹をどれだけ傷つける行動か知るよしもなかった
「あ、次移動じゃん!」
「急ぐか」
再開した時あいつは変わっていた
昔の笑顔も無くなんにでも興味を持って行動に移してあんなに元気な性格も…
昔大嫌いだった本が好きになっていた
「…それって翔琉が…」
「うん?何?」
「なんでもねぇ〜よ」
翔琉が本が大好きだった事と関係があるんだろうか
分からない事だらけではあるが一つだけ分かる
もうあの頃には戻れないという事。
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作者名:灑那 | 作成日時:2017年5月26日 1時