第13話 ページ13
「あ、集合だって行ってくるね」
「行ってらっしゃい」
「…僕の事を…嫌なんでもないや」
小首を傾げながらステージから飛び降りた美樹さんを見つめる
「おい」
「あぁ、柊羽さん」
学校では滅多に話しかけない柊羽
何かあったのかな?
「お前さ。」
「はい?」
「さっきのバスケの話で固まってただろ」
「そんなことは無いですよ」
「嘘だな」
「…やからって柊羽には関係ないやろ」
「…は?」
「なんやねん…側におって欲しい時に見捨てたんはそっちなんやで?」
「…チッ」
「偉そうにせんでな」
私は立ち上がって後ろの方に座った
美樹さんは私に気づいたのか手を降ってくれた
それから挨拶が終わりバスケが始まった
「…」
正直見たくない
あの日を思い出すから…
「きゃっ!?」
すると誰かが上着を頭から被せてくれた
「見たくねぇんだろ。無理すんな」
「…柊羽…?」
返事は無かったけどこんな優しいことをしてくれるのは柊羽しかいなかった
「…ありがと…」
「…おう」
そこからは会話はなく
ただ歓声の声が聞こえるだけだった
「珠樹ちゃん!大丈夫!?」
「…この声は…朱音さん…?」
「そう!柊羽が珍しいことしてたし様子が変だったから…」
「大丈夫です水分補給が足りてなかったみたいで」
「ちょっと柊羽!これ息出来てるの!?」
「出来てんだろ」
「死んじゃうわよ!」
上着を取られて眩しく感じる
「馬鹿!」
「え?」
目の前にはバスケの試合中
あぁ…懐かしいな…
そこから意識が飛んだ
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作者名:灑那 | 作成日時:2017年5月26日 1時