妥協点Kと動く点P[ k.y ]

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貴女side.




貴女「＿＿好きなの。」





流れるのは言葉だけじゃなくて、涙も一緒で。





あー、朝から最悪だ。折角したメイクが崩れる。また、弱い所を見せてしまうって。





貴女「妥協とか言ってきたアンタが、ムカつくけど本気で好きになったよ」





何年ぶりってくらいの大泣きに驚きを見せる彼に、目が向けられなくて、ただ俯く。顔を隠して泣いた。





キヨ「それ、本気で言ってる？」





貴女「こんな、泣いて嘘ついてたら、私女優になってる」





キヨ「あー、うん。それはそうなんだけど、ちょっと待って、俺すっげー動揺してる。え、待って」





貴女「バカキヨ、うるさい」





キヨ「あ、…えっと、俺さ、俺さじゃねえな。俺も、好き…なんだけど、さ。お前のこと、えっと」





貴女「…ふ、ふふっ」





あんなチャラチャラしてた男が急なマジモードに対応しきれなくてどもってる姿に何か笑いが込み上げてくる。





自分から切り出したんだから、ちゃんと考えておけよって





でも、そんな所も実は陰キャのキヨにはお似合いなのかもしれない。





えせ陽キャなキヨは汗ダラダラでずっと喋り続けている。同じ内容を。





キヨ「……付き合い、ますか」





貴女「ふふっ、そこは、こんな俺だけど付き合ってくださいでしょ」





キヨ「何か悪意あるだろそれ」





貴女「もう、バカキヨ。仕方ないから妥協で付き合ってあげる」





キヨ「…は？俺のこと好きなのに妥協かよ」





貴女「ええもちろん、妥協ですけど」





キヨ「くっそ、ムカつく」

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