【Genshin】ならばあなたと生きましょう (ページ40)

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𝟏𝟑，天秤を揃える -- Cyno ページ40

「大マハマトラ、明日はブラッドムーンなんだって。知ってました？」

私は新聞を片手に、問いかける。一日に１回、決まった時間に私の部屋を訪れる相棒に。
彼は当然だとでも言いたげに頷けば、言葉を続ける。

「今年のブラッドムーンは明日だけだ。見逃したくなければ、張り付いてみているといい」
「へぇ、私の事そんなに暇だとおもってるんです？心外だなぁ」
「冗談だ」

笑えねー。相変らず笑いどころの分からないつまんない冗談。私はそれを苦笑しながらぬるりと交わす。彼はというと、不思議そうな顔をしている。
これで笑うと思ってんのか？私のツボはそんなに浅くねぇんだよ。小難しい璃月漫談のがまだ面白いわ。
私は大マハマトラを横目に、肩を竦める。この人の元にきてから半年が経ったが、未だギャグに慣れないし戦闘も追いつかない。まったくティナリめ、レンジャーの中でもちょっと腕が立って神の目を持ってるからって無茶言いやがって……。友人が心配なのは分かるけどさ。

「そういえば、お前はいつになったらその敬語を外すんだ？同じマハマトラなんだし、敬語なんて使わなくてもいいと思うが」
「一応後輩っすからね。そういうのちゃんとしたいんで」
「……そうか。ティナリの同僚らしいな」
「ねぇそれどういうこと？おい」

なんでそこで安心したようにふっと笑った？言ってみろおい。私とティナリが似てるって言いたいのか？そいつはごめんだな！

「いや、よく似ているなと思って」
「キレそう。似てない」
「そうか？すぐ怒るところも、神の目が草元素なのもそっくりだぞ」
「あ～～～～まじでキレそう。マハマトラ引退しようかな」

大マハマトラにパワハラされたんで爆速引退します。任期半年。やる気無し。
正直、セノが数十人の罪人とっ捕まえて来た上に大賢者が半分以上居ない今、無理は言えないからそんな事しないけど。