プラタナスエスケープ【約束のネバーランド】 (ページ10)

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▽9話ページ10

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『レイ、エマ達を見なかった？』

「さっきまでそこにいたけど…いねぇな」

『昨日のこと聞こうと思ったのになあ』

いつも通り朝ごはんを食べて、テストを終えて今は自由時間。エマとノーマンを探しに来たのだが、どうやらどこかへ行ってしまったらしい。

私はいつものように木の下で本を読んでいるレイの隣に腰を下ろし、元気に遊んでいる弟妹を眺める。

今日は結構図書室に篭ってしまっていたし…すぐに来るべきだったね。

…ああ、そういえば

『昨日の夜、ママに門へ行ったか聞かれたよ』

「は？なんで…わざわざ部屋に来たのか？」

『まさか！食堂でばったり会ったんだ。ママのあの目…初めてママが怖いと思ったよ』

くすりと笑う。

実はあれから悶々と考え込んでしまって一睡もできなかった。おかげで今日のテストは満点(フルスコア)を逃してしまった。ノーマンとの勝負は私の負けだね。

『エマ達もいつも通りに振舞ってはいたけど、やっぱり少し元気がなかったように見えたな』

「ああ。門でなにかあったのは間違いない」

『 …あ、そろそろ時間かな』

ハウスの方を見ると鐘を持ったママが中から出てくるところだった。そらに気付いた兄弟がわらわらと走っていく。

『私達も行こう』

「おう」

『手を繋ごうか？』

「なんでだよ」

ママの元へ集まり人数を数えている時、2人足りないことに気付く。すると森の方からマルクが泣きながら走ってくるのが見えた。森でナイラとはぐれてしまったらしい。

もうじき日が暮れる。辺りはすぐに真っ暗になってしまうだろう。

みんなが不安そうにママを見つめる中、ママはコンパクトを開いて何かを確かめると「大丈夫よ」と微笑み、ナイラを探しに行った。

暫くして、ナイラを抱えたママが戻ってくる。疲れて眠ってしまったみたいだ。みんなが安堵した表情を見せた。

ただ2人、エマとノーマンを除いて。

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