プラタナスエスケープ【約束のネバーランド】 (ページ8)

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▼7話ページ8

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掃除を終えたAと2人の帰りを待つ。ギルダには先に寝室に行ってもらった。

本当はこいつにも一緒に行ってもらいたかったけど…無理に勧めるのも不自然だからな。後で事情を話せばいいか。

そして2人が帰ってこないことに対して「遅いね」と言ったきり黙り込み、顎を触りながら一点を見つめるA。これはこいつが考え込んでいる時の癖だ。この時だけはいつもの貼り付けたような笑みも一切見えない。

「 ( それもそうだ。よくよく考えたら不自然だもんな ) 」

コニーがリトルバーニーをとても大切にしていたことは周知の事実。なのに置いていったことに違和感を覚えているのだろう。

Aは俺が仕掛けなくても自力で答えにたどり着いたかもな。

暫くしてAが小さく呟く。

『引っかかるな』

「 ( きた。)何が？」

『リトルバーニーだよ』

「 ……… 」

『寝室に呼びに行った時はまだ持っていたんだ。だから移動する時に忘れたのかなと思うんだけど… 』

「コニーはふわっとしてるからな」とあくまでコニーが忘れたという体にしておく。そうだよね、と返ってきたが納得していないようだ。

その後も再び考え込むA。
あまりにも真剣に考え込むものだから少し心配になって声を掛けるも返ってきたのは空返事。

Aは昔から何かと考え込むことが多かった。いつだったか、鬼ごっこで走りながら考えに夢中になっていたところ、足を滑らせて足の骨を折ったことがあった。

もし脱獄が成功したらその癖も治さねぇとな…

ハウスの外は未知数。鬼に追われることだってあるかもしれない。そんな中考えに夢中になって殺されでもしたらたまったものじゃない。

視界の端でピクリとAが動く。そしてぽつりと呟いた。

『誰かが意図的に置いたか』

やはりAは天才だ。ノーマンでさえ気が付かなかったことに気が付いたのだから。

彼女がそう声に出した瞬間、ガチャリと扉の開く音がして暗い表情ノーマンとエマが帰って来た。

この6年は絶対に無駄にしない。出荷されて行った兄弟の為にも。

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