プラタナスエスケープ【約束のネバーランド】 (ページ6)

今日:8 hit、昨日:6 hit、合計:6,301 hit

▽5話ページ6

・

「コニー、準備できた？」

『そろそろ時間みたいだよ』

もうすぐコニーとお別れの時間。

これまで着ていた白一色の制服とは違う、黒いジャケットを着たコニーを呼びに行く。

「どうかな、服… 」

「バッチリ♡似合ってるよ」

「よかったぁ」

6歳の誕生日にママに作ってもらったというリトルバーニーを抱きしめ、「大人になったらママみたいな＂お母さん＂になりたい」とコニーは言った。

たかが5年、されど5年。

少なくとも人生の半分を共に暮らしてきた妹がハウスを出ていくともなるとそれなりに寂しい。

コニーを見送る為に家族全員が玄関に集まる。

「元気でね」

笑顔で出て行くコニーに手を振って、別れを告げる。いつも元気で楽しそうなエマもこの時ばかりは寂しげな表情だ。

10年間ずっと見送る(こっち)側。

11歳___私は12月生まれなので正確にはまだ10歳___

次は私達4人の誰かかもしれない。

＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿

カターン

夜の掃除の時間。

誰かが何かを落としたような音がして様子を見に行くと、そこには食堂の入口に立つエマと倒れたモップ。その目線の先に＿＿

『 …リトルバーニー？』

コニーがこの1ヶ月ずっと肌身離さず抱えていた宝物(リトルバーニー)。

どうしてここに？まさか忘れた？あんなに大切にしていたリトルバーニーを？思い返せばたしかに見送りの時には持っていなかった。なら本当に…

「ど、どうしよう… 」

「＿＿って、コニーもう行っちゃったよ？」

「＿＿でもないかも」

『レイ。というのは？』

エマとギルダが困惑する中、風呂上がりであろうレイが肩にタオルを掛けて歩いてくる。

レイが言うには、風呂場の窓から門の灯りがついているのが見えたらしい。ママも戻ってこないしまだ出発していないかも、と。

すると話を聞いていたノーマンが届けに行こうと言い出した。

「本当はママに頼んで後から送ってもらうのが筋なんだろうけど、＂コニーの気持ちを考えたら早い方がいい＂＿＿だろ？」

「うん！」

やめた方がいいとは思いつつ、出られる扉を探す。しかし当然、どの扉も鍵がかかっていた。

『どうしようか。ピッキングができたらよかったんだけど… 』

「問題ない。この型なら開けられる」

……どこで覚えたんだピッキングなんて

・