プラタナスエスケープ【約束のネバーランド】 (ページ26)

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▽25話ページ26

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『ノーマン、レイ』

「 A！よかった、まだ残ってたんだね」

『 2人もね。さっきエマが捕まったのを見たよ』

「なら、そろそろこっちにも来るな」

二人も抱えて逃げていたから、さすがに体力が持たなかったみたいだ。

私達はこの場所から離れる為走り出す。残り時間は9分をきった。すると後ろから誰かの走る足音。エマ達が捕まった今、残りは3人。必然的にシスターのものということになる。

恐らくシスターはノーマンを真っ先に捕らえに行くだろう。私はその後。最後にレイ。レイに時間をかけたいだろうから、先にその他二人を排除したいはずだ。

3人で目を合わせ、ノーマンは右、私は真っ直ぐ、レイは左にバラけて走る。私の読みとは裏腹に、シスターが追ってきたのは私だった。

『成程、そうきたか』

「 ( Aに2分、ノーマンに2分、レイに4分 ) 」

レイほど頭がキレるほどでもなく、エマのようなずば抜けた運動神経を持つわけでもない私をまずは捕らえようという考えなのか。

私も甘く見られたものだ。何がなんでも逃げ切ってやろう。

崖を飛び越え、木々の間をすり抜け、濃藍の髪を靡かせて走り抜ける。後ろを気にしてはダメだ。

「 ( 何故捕まえられない…！？それどころか、距離が縮まらない…むしろ距離が開いている気がする )チッ… 」

足音が遠ざかる。どうやら私からノーマンへ標的を変えたようだ。ノーマンなら心配はいらない。このまま時間が過ぎるのを待とう。

近くにあった岩に腰を下ろす。すると木の影からレイが姿を現した。案外近くにいたらしい。

「よく逃げ切ったな」

『捕まらないよ。これまで誰と鬼ごっこしてきたと思っているのさ』

「違いねぇ」とレイはクスクスと笑う。

「行こうぜ、そろそろ時間だ」

レイと共にノーマン達のいる方に向かうと、岩場からシスターを見下ろすノーマンの姿が見える。

私はそっとシスターの背後に近づき、声をかけた。

『 20分。時間切れだ』

「「俺／僕達の勝ちだねシスター」」

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