プラタナスエスケープ【約束のネバーランド】 (ページ22)

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▽21話ページ22

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「しかし耳か…確かにこれは気づかねぇな」

『本当にすぐ消えてしまう痕だったし、採血痕だって聞いていたから… 』

「無意識に疑ってこなかったんだ…ごめん… 」

「いや、お手柄だよエマ！」

場所、形、大きさが判った今、次にやるべきこと。

＂壊し方＂

切開して調べるにしてもリスクが高い。仮に耳に何かをしてそれを髪で隠しても、いつものように髪をかきあげられたら、あのママのことだ、すぐに気づくだろう。

『だけど、機能としては意外と甘い』

「そうだな。個人の信号を特定できない、確認なしでは位置がわからない、門や塀に近づいても通知一つしない」

＿＿でも埋められている。なぜか。

発信器さえ壊れていなければどこまでも追える自信があるのだろう。例えこっそり門や塀を越えたとしても。

するとノーマンが「待って」と口を挟んだ。

「それってもし通知をするなら、発信器が壊れた時ってこと？」

その可能性も無きにしも非ずだ。

壊れたら追えないが、壊れていない限りいつでも追える。ならば壊れた時だけ通知をすればいい。

壊せばママに知られる。もしこの仮説が正しいのなら、今発信器をどうこうするのは危険だ。壊すのはあくまで逃げる時。それが妥当だろう。

「えぇえ！？でもじゃあどうやって壊し方…！」

「それなんだけど、この形と大きさ、ちょっと思い当たることがある」

「この件は任せてくれないか」とレイは言う。

ノーマンとエマはすんなり承諾した。2人がレイに任せるなら私も彼に任せることにしよう。何よりレイは博識だから、機械にも詳しいだろう。

そうするとあとは＿＿＿

＂全員を連れ出す方法＂

『嘘をついて連れ出す、なんてことになりそうだけど… 』

皆ママを信じきっていること、真実に耐えられるかわからないこと、それと単純な能力不足。口には出さないけれどわかりやすく言ってしまえば＂足でまとい＂＿＿これを口に出したレイはエマにボールを投げられていた＿＿。

「でも事実だろ？運動が苦手な奴もいるし、ロクに歩けない赤ん坊もいるんだぞ」

レイの言うことは正しい。私達年長者が抱えて行こうにも限界がある。

どうしたものか…と頭を捻っていると、「それについては考えた！」とエマの声。

「考えがあるの」

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