プラタナスエスケープ【約束のネバーランド】 (ページ19)

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▽18話ページ19

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『 …そう怯ませるのも、ママの狙いだとしたら？』

「え？」

「成程な…＂戦略において俺達より上＂＂お見通し＂＂諦めろ＂。わざわざヒントをぶら下げたなら恐らくそれを見せつけるため」

レイの言葉にこくりと頷く。何も相手のペースに乗ってやることはない。

『逃げてしまえば私達の勝ちなんだから』

嘆いても仕方がない。敵を喜ばせるだけだ。タダでは負けない。今は情報源(・・・)が増えたことに感謝しよう。

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「まずは2人がどこから(・・・・)来たのか」

「キャロルはコニーの代わりだ。つまり商品の補充… 」

『ここが農園なら、補充する食用児を用意している拠点があってもおかしくないね』

「食用人間の供給拠点… 」

もし拠点があるとするならば、私達みんな拠点(そこ)から来たということだろう。そして恐らくあの＂シスター＂も。

「ママ以外の飼育者(おとな)がいるって事実も大きいね」

『 GF(ここ)と同じ農園が他にもあるのかも』

「彼ら鬼に従う大人が、＂生まれた時から鬼の支配下＂なのか＂人間社会で生まれたのちに捕獲された＂のか…それだけでも出た先の世界は違ってくる… 」

ママとシスター、2人の生い立ちが世界(そと)の謎を解く＂鍵＂になることは間違いないようだ。

だがそれだけじゃない。

「今新人(キャロル)が来たのもデカいぞ」

『そうだね。成長するにつれ痕跡が消えていくなら、今来たばかりのあの子にはあるかもしれない。発信器の手術痕が』

「目下3つだ。①大人が＂外＂を知る鍵ってこと。②キャロルが発信器の糸口ってこと。そしてもう一つ。③なんかやっぱママのやり口が変ってこと」

そう。お手伝いの期間で感じた違和感は今も尚拭えない。

わざと見せつける、そして脅す。最初の発信器も今回のことも……明らかに何かある。＂お見通し＂ならさっさと見つけて即出荷。それでいいはずなのだ。

だがママはそれをしない。それができない理由、あるいは＿＿＿

「それをあえてしない＂狙い＂が何かママ側にあるってことだ」

敵の出方がわからない以上、事は一刻を争う。「わかるな？」とレイはエマと私を見つめた。

このチャンスは逃せない。潰せない。その為に私達がすべきこと。

「任せて。私達がキャロルから発信器のヒント掴んでくる！」

『全員、生きてここを出よう』

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