プラタナスエスケープ【約束のネバーランド】 (ページ15)

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▽14話ページ15

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そう、レイの言う通り施設(ここ)から出るだけではだめなのだ。施設から出た上で生き延びる手だてを講じなければならない。

＂外＂がどうなっているのかはわからない。だが、農園があるということは出荷される先がある。それが私達を待ち受ける壁。それは即ち＿＿

＂鬼の社会＂

「不可能(ムリ)なんだよ。連れて出りゃ全滅は見えてる。＂置いて行く＂。それが最善だ」

「やだ」

『！』

「無理でも私は全員で逃げたい。何とかしよう！」

そのエマの言葉に私は目を見開いた。

全滅は嫌だ。だが置いて行くという選択肢もない。コニーで終わりにしたい。もう誰もあんな姿にしたくない。エマはそう言った。

「ないならつくろうよ、外に。人間の生きる場所」

変えようよ世界

まさかそんな言葉が出てくるとは思わなかった。彼女は本気で全員で生きるつもりなのだ。

なんというか、エマらしいというか…

「＿＿＿だからレイが折れて。ゴチャゴチャ言わずに力貸して！！」

『 …ふふ、あはははっ』

「 A…？どうしたの…？」

『負けたよエマの熱量には。いいよ、乗ろうじゃないかその船に』

「本当っ！？」

「お前までっ…… 」

ぱっと笑顔を咲かせるエマと引きつった顔のレイ。まさか私がエマに付くとは思わなかったのだろう。レイはノーマンを引きずってどこかへ行ってしまった。

「 Aは反対すると思ってたよ。こんな無茶な意見」

『最初はね、反対だったよ』

「じゃあどうして？」

『うーん、そうだなあ』

私は施設(ハウス)の秘密を知ってしまった。何も知らないままでいられたら、ここで最後まで幸せに暮らすのもよかったかもしれない。

でも＿＿＿

『どうせここにいても死ぬのなら、最後くらい反抗してみもいいと思ったんだ』

「！…そっか！」

かの画家も言った。

＂行動がすべての成功への基本的な鍵である＂と。

行動しなければ始まらない。

「でもよかったぁ、Aもレイも信じてくれて。昨日の夜Aにあの日のこと聞かれてドッキドキだったんだから！どうしよう話す！？でも一応ノーマンに相談してから…って！」

『そりゃああれだけ様子がおかしかったら気になるよ』

「 …絶対ここから出ようね」

『そうだね』

レイのことはノーマンがなんとかするだろう。

私は私ができることを精一杯やろう。後悔はないように。

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