プラタナスエスケープ【約束のネバーランド】 (ページ12)

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▽11話ページ12

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『ねえエマ』

「うん？なぁにA 」

消灯後。

私は読んでいた本を閉じて、隣で寝る準備をしているエマにできるだけ小さい声で問いかける。

『昨日、門で何があったの？』

「え… 」

効果音を付けるならギクリ、だろう。判りやすくエマの顔がひきつった。たがそれも一瞬、すぐにいつもの笑顔に戻って私に言う。

「なんでもないよ！間に合わなくて落ち込んじゃっただけ！」

『 …帰ってきた時に手ぶらだったのは？』

「ママに預けたの！」

エマはどうしても秘密にしたいようだ。ママに預けたら夜に外に出たことがバレてしまうというのに。

まったく…同じ最年長なんだから教えてくれたっていいじゃないか。

「私そろそろ寝るね！おやすみA 」

『ああうん…おやすみ』

会話が終わるとエマは布団に潜り込んだ。私もランプを消して横になる。

ふーむ…どうしたものか。明日ノーマンにも話しかけてみようかな。うん、そうしよう。ノーマンも教えてくれなかったらレイにも協力してもらおう。

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翌日、エマとノーマンはまた姿を消した。今日はまっすぐ外に出てきたのにもういない。行動が早いな。

今日も今日とて木の下で本を開いているレイの元へ行く。レイは私に気付くと本を閉じて立ち上がった。そして私の手を取って森の方へ歩き出す。

『どこに行くのレイ』

「エマとノーマンとこ。お前も気になってんだろ」

『さすがレイ。私の考えていることなんて丸わかりだって？』

「あれだけところ構わず考え込んでりゃあな」

そんなつもりはなかったけど…治さないといけないなあ

暫く歩いて、前方にエマとノーマンの後ろ姿が見えた。何を話しているのだろう。途切れ途切れでよく聞こえない。

「 ……には……な……だい……か… 」

「れ……ぱに……きかい…… 」

きかい…機会…機械？うーんだめだね。もう少し近寄ってみる必要がある。

数歩近づいたところで、声がしっかり聞こえるようになった。レイが岩に座る。かなり近い距離にいるけど2人はまだ気付かない。これは話しかけるまで気付かなそうだ。

「レイとAには僕から話すよ。エマは一度戻って… 」

「なんで？今話せよ」

「「！？」」

聞こえるはずのないレイの声に2人は勢いよく振り向く。私はひらりと片手を振ってにこりと笑った。

『や』

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